2016.07.22.金

業界ニュースまとめ読み〜7月号〜


みなさんこんにちは。
このコーナーでは業界関連の旬なニュースをいくつかピックアップし、私ミスターDの私的な見解をコメントしていきます。

 

【流通ニュース】

■ドラッグストア大手3社、売上5,000億超え

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO04192010Z20C16A6TI5000/
5月決算が多いドラッグストア業界では、一通りの数字が出そろうのが毎年このぐらいの時期である。マツモトキヨシHDの売上は5,360億円と5,000億の壁を突破し、不動のトップを維持したものの、予想通り一気に2位に浮上したウエルシアHD、サンドラッグの上位3社の売上が軒並み5,000億を超えており、すさまじいデッドヒートが繰り広げられている。

日本チェーンドラッグストア協会によると、2015年度のドラッグストア企業は447社、店舗数は18,479店舗となっており、推定市場規模は6兆1,325億円で前年比1.1%と微増であった。業界全体の成長率はほぼ横ばいであったが、二桁成長を遂げている企業も多く見られる。中でもイオン系ハピコム連合であるウエルシアHD・ツルハHD・スギHDのM&Aによる規模拡大の動きがめまぐるしく、積極的にM&Aを行っていないマツモトキヨシHDの背中をものすごい勢いで追い立てている。

このM&Aにより企業が収斂していく過程で、コンビニ、スーパーなどの別業態との均質化現象が起こっているが、matsukiyo LABやB.B.ONなど、新しい切り口の差別化店舗への挑戦も伺える。小売業界全体においては売上1兆円に迫るAmazonが圧倒的な存在感を増していている中、ドラッグストアという業態がどのように発展していくのか、はたまた百貨店やGMSのようにピークアウトしていくのか、まだまだ全く予想がつかない。

 

■大衆薬 薬剤師不在時も販売可能に

http://www.yakuji.co.jp/entry51035.html
「規制緩和により、薬剤師が不在でも登録販売者がいれば2類・3類を売れるようになる」。このニュースを初めて読んだ時、タイムスリップしてしまったような感覚に襲われたのは私だけだろうか。
「えっ?今までも登録販売者がいれば2類・3類は売れてたんじゃないの?」と思い混乱したが、よくよく読むと「薬局や調剤をするドラッグストア」「登録販売者だけで大衆薬を売るために、薬局と店舗販売業の二重申請をしている」とあった。なるほど、今まで「薬局」と「店舗販売業」は別だったのか。己の無知を恥じた。しかし、薬剤師必須の1類の店舗販売において、「使ったことがある」と答えればしっかりとリスクを説明してもらえることは皆無に等しい現状。
実際にOTCのリスクはそこまで高くないと見られるので、要指導医薬品およびスイッチしたての1類以外はすべて登録販売者でもいいのではないだろうかと思う。私の場合はもっぱらリアップに限った話だが。。。

 

【インバウンド・アウトバウンド】

■「爆買いバブル」終了!?百貨店の客離れが加速

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49052

■松屋、純利益85%減

http://ryutsuu.biz/accounts/i071415.html

■日本製品「爆買い」、中国に移動

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO04512890W6A700C1I00000/

流行語にもなった「爆買い」。小売店・メーカーはモノが売れまくり昨年までは大いに湧いたが、円高や中国の関税強化などの要因があり、勢いが一気にしぼみ「爆買い終了」の声を聞く機会が増えた。特に高級ブランド品が売れまくっていた百貨店の落ち込みは深刻である。
年々厳しさを増していた百貨店が一瞬息を吹き返したように見えたものの、元々の問題である「日本人離れ」は何も解決していなかった。それどころか、中国人客を重視した施策に舵を切ってしまっていたため、一層日本人が入りづらい売場となっており、中国人客が去った今、売場に誰も居なくなってしまったという…。

このまま沈みゆくタイタニックになってしまうのだろうか。オリンピックまでの4年間を持ちこたえられるか、正念場である。

 

■資生堂、D&Gとライセンス契約

http://www.asahi.com/articles/ASJ715TN2J71ULFA03C.html

■大正製薬、ベトナム製薬最大手に出資

http://ma-times.jp/36941.html

■ロート製薬、アフリカ現地ヘルスケア企業買収

http://ma-times.jp/36831.html

一方、爆買いの終焉を見越していたかどうかは定かではないが、主要メーカーによる「アウトバウンド」の動きが活性している。

資生堂は6月にも大金を投じてガーウィッチプロダクツ社を買収したが、今回は日本でもお馴染みのブランド、ドルチェ&ガッバーナの全世界独占ライセンス契約を結ぶ。「世界の資生堂」に向けて驚愕のスピード感だ。

また、大正製薬はベトナム、ロート製薬はアフリカの現地企業を買収し、本格的にアウトバウンドに資金を投じている。実際に収益化するまでは足の長い投資となりそうだが、インバウンドが落ち込んでいる今こそ、外に打って出る攻撃的な戦略が必要である。

dolce_gabbana

 

■ロンドンに観光客殺到、爆買い-EU離脱選択ショックにも恩恵

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-29/O9JHF0SYF01S01

余談だが、国民投票でEU離脱が決定したイギリスは、去年までの日本さながらのインバウンド需要に湧いているという。やはりここでもチャイナマネーが大きく動いている。有り余る購買力が羨ましい限り。。。

 

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