みなさんこんにちは。今月も業界にまつわるビッグニュースがありましたね。
このコーナーでは業界関連の旬なニュースをいくつかピックアップし、私ミスターDの私的な見解をコメントしていきます。

【ドラッグストア】
セルフメディケーション税制　「知っている」34%どまり
https://www.planet-van.co.jp/shiru/from_planet/vol83.html

　株式会社プラネットが行った調査によると、セルフメディケーション税制を「詳しく知っている」「おおよその内容は知っている」を合わせて34.5%となり、2016年12月の同アンケートの際は8.2%だったため、1年半かけて少しずつ浸透してきているようだ。しかし、「おおよその内容は知っている」という層に大きく幅がありそうで、実際に理解しているかどうかの割合でいうと10%ぐらいがリアルなところではないだろうか。手続きも面倒そうだし、対象商品も限られているし、「ハードルが高い割にメリットが少ない」というのが実情ではないだろうか。このままでは明らかに失敗へ向かうと思われる。

ツルハ、B&Dドラッグを買収
https://www.ryutsuu.biz/strategy/k042424.html

　ひさびさのドラッグストアM&Aニュース。ツルハは5月が決算のため、この買収が決算にどこまで影響するかが注目。2017年度決算では一気にトップに躍り出たツルハだったが、今年はどうだろうか。ウエルシアとの首位接戦が熱い。

PALTAC　埼玉に物流拠点　230億円投じる
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO30091110S8A500C1TJ1000/

　ドラッグストアの大手卸店、パルタックが大規模設備投資。AIの導入で150%の効率アップになるという。省人化にも寄与するだろう。ドラッグストア業界はオーバーストア状態でどんどん膨張していっているため、人口カーブを考えるとどこかで弾けることは必至だ。今のうちに思い切った設備投資を行うことで、残存者利益の総取りが可能となる確率が高くなる。

スマホ広告 読まねばならぬ ただし書き
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO30588840W8A510C1CR8000/

　消費者庁がここ最近じわじわと力を入れている施策が「打ち消し表示」の撲滅。打ち消し表示とは「今なら全品半額！！※ただし1万円以上の商品に限ります」のような、広告内の「※」にあたる部分の注意書きのことだ。消費者庁によると、「打ち消し表示を用いなくても消費者が正しく理解できる内容にすることがベスト」という見解であり、そもそも打ち消し表示の存在自体を問題視している。ドラッグストアのPOPを見ると数え切れないほどの打ち消し表示が見つかるが、油断していると片っ端から措置命令処分ということになりかねない。メーカー、小売店は要注意した方がいいだろう。


【コンビニ】
メルカリ、セブンと提携
https://ecnomikata.com/ecnews/18700/

　急激な勢いで広がるメルカリ経済圏。らくらくメルカリ便は、コンビニやヤマト運輸を経由することで出品者・購入者がお互いの住所を知ることなく発送・受け取りができるサービスだ。今までコンビニにおいてはファミリーマートのみだったが、このたびセブンでも利用できるようになった。利用者にとっては便利この上ないが、お店にとっては余計なオペレーションが増えるだけで、あまり旨味がないように思える。とはいえ買い物以外の各種サービスがコンビニから消えてしまうと困る生活者は加速度的に増えてきているので、悩ましいところだ。「外国人実習生」という名の実質移民で応急処置的に賄うのではなく、もっと建設的な解決法が求められている。

ファミマ、米民泊大手エアビーとの提携発表
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL21HB4_R20C18A5000000/

　これまたコンビニをハブとして、利用者がカギの受け渡しを安全に行えるサービス。外国人の利用者には対応すべきだが、外国語対応ができないスタッフがほとんどであると思われ、需要と供給のミスマッチを感じる。外国人とのコミュニケーションに店員が手間取り、レジに行列ができる光景がありありと想像できる。