2022.05.10.火

第10回 POPのABCDE(1)Authority(威光)


前回はPOPが行える情報提供には5つの役割がある、
その頭文字はABCDEだということをお伝えしました。
今回は、その最初にあたる「A」の「Authority(威光)」についてお話します。

0EAA6DAF-1F29-4BAF-96B5-1887B7BFD1BC

威光というと聞き慣れないかもしれませんが、簡単に言うと「箔」のことです。
例えばまったくスペックも値段も同じ商品が隣同士で陳列されている時、
片方には何も書いておらず、片方には「YouTuberが選ぶベストコスパグランプリ!」
 というPOPが貼ってあったら、どちらを選ぶでしょうか。
「インフルエンサーは絶対に信用しない」という信念がある人以外は、
だいたいなんとなく後者を選んでしまうと思います。
「医師が勧めています」「ベストコスメ賞!」「テレビで紹介されました!」
などもこれにあたります。
さらに言うと、値段が少し高くても信頼できそうな人のお墨付きがある方を
買ってしまう人も多いのではないでしょうか。

これを心理学で「ハロー効果」と呼びます。
アルファベットで書くと「halo」、直訳すると「後光」です。
ある対象を評価するときに、特定の項目の評価が高いと感じた場合に、
別の項目も無条件で評価してしまう心理現象のことです。

例えば身なりがキチンとしている人は人としてもしっかりしているだろう、
弁護士のあの人の言うことはすべて信頼できる、と言ったようなことです。
実際は身なりがキチンとしていても性格がだらしない人もいますし、
スキルレベルの高い人が人格的にみな優れているかと言うとそうとも言えない、
ということはちょっと考えればわかることなのですが、なんとなく無条件に信頼できる
気がしてしまうのが人間の本能でもあります。

同じスペックであれば威光がある方が選ばれやすいわけですから、
POPで情報を提供する際にはこの「威光」を最大限に利用するのが効果的です。
「そんなお墨付きはこの商品にはない」という意見もあると思いますが、
必ずしも大層な権威のイチオシがないといけないわけでもありません。
売場担当者の〇〇さんや、店長さんでも良いわけです。

しかしこの際に注意が必要です。ハロー効果はポジティブに働きますが、
同時にネガティブにも働くということです。
特定のお客さまが嫌いなインフルエンサーがいたとして、
同じスペックであればそのお客様は「こいつのおすすめだけは絶対買わない」
と逆の商品を買うでしょう。
同じように、無作為(に見える)商品に「店長おすすめ!」のPOPが無数に貼られていたとしたら、
「お店にとって利益がある商品をひたすらすすめてるだけじゃないか」
と思われてせっかくのおすすめが逆効果になってしまうこともあります。
その「威光」が買って欲しいターゲットの人に対して、支持されている確率が
どれほど高いのかどうかの見極めが非常に重要です。

威光効果はあるなら是非POPに使いたい要素ですが、
いたずらに乱発すると逆効果にもなりうる諸刃の剣であることを知っておく必要があります。

 

   

コメントはお気軽にどうぞ

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

関連記事

2022.04.13
第9回 接客のPOPへの落とし込み方 情報提供(1)

今回は、接客からPOPに落とし込める要素のうち、3つ目の「情報提供」について考えていきます。情報提供は特にPOPが得意としている機能ですが「何をどう伝えるか」は非常に重要なポイントとなります。来店者が売場で商品を手に取る …

2022.03.11
第8回 接客のPOPへの落とし込み方 立体感(2)

前回はリアル接客における立体感の重要性についてお話しました。今回は、その立体感をどうしたらPOPに転用できるかを考えていきます。まず平面と立体の違いを認識します。端的に言うと2次元と3次元の違いです。モニターで見るweb …

2022.02.09
第7回 接客のPOPへの落とし込み方 立体感(1)

今回は、POPの接客要素の3つ目、「立体感」についてお話します。昨今メタバースが非常に話題ですが、ヘッドマウントディプレイで非常にリアルな仮想空間が体験できるようなると、それこそ現実との区別があまりつかなくなり、ブレード …