2022.06.10.金

【番外編】 AIロボットと人の共同接客の未来


こんにちは。本日は、ちょうどタイムリーなニュースが入ったので
一旦本編を外れて番外編とさせていただきます。

日本経済新聞 2022年5月9日の記事です。
未熟な接客ロボ、人が補う サイバー・阪大が100体実験
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC06ATE0W2A400C2000000/

記事によると、パン屋での接客にAIロボットを用いたところ、
人だけで接客する場合の約2倍の売上が上がったとのこと。

ここで興味深いのは、人とロボットの共同接客です。
と言ってもその場にいる人間の店員がサポートを行うわけではなく、
基本的な接客はAIでロボットが行いつつ、ロボットができないレベルの接客は
「遠隔で人が行う」という形をとっています。

これにより、お客さんにはあくまで100%ロボットから接客されているような印象を与えています。
それで人が接客するより2倍の売上というから、驚きです。
具体的にどういう役割分担をしていたのかというと、下記のような記載がありました。

>ソータは客の声をAIで拾い、自動で顔を向けたり手を振ったりする。
>だが、パンを薦める際、客がどこに立ってどんなパンを見ているのかまでAIで把握するのは難しい。
>そこで、声優がカメラ越しで客の様子を見て好みを推測し、薦めるパンを決めて声をかける。
>AIが客に反応しつつ、お薦めは人が担う形だ。

つまり、目の前で動くものを人間として感知し、その動きに合わせてリアクションを取ることはロボットでもできるものの、お客さんが何に注目しているかの判別はロボットだと難しく、人が行う必要があったということです。

インターネットやスマホのAIを考えると「ユーザーが何に注目しているか察知しておすすめしてくる」
という機能はすでに実装されていますが、それはディスプレイという平面に対してカーソルや指を動かし、
スクロールしてクリックするというユーザーの2次元の行動情報が取得できているからであり、
3次元の現実空間では「そこに立ち止まって一箇所を見ている」という情報を取得することが現状ではまだ困難である、ということでもあります。

ではその機能が3次元でも実現可能になったら、人が接客するよりもロボットが接客するほうが、
人件費だけでなく実際の効果としても上なのでしょうか?
人がロボットに負ける、というのはAI将棋や囲碁にプロが負ける、
というある種の切なさがこみ上げますが、
この記事の実験によるとそうでもなさそうなのです。

>大阪府吹田市のスーパーでソータがチラシを客に配ったところ、
>人が配った場合より5倍も多く受け取ってもらえた。
>さらに①人による操作を知らせない②操作者の顔写真を掲示するが声はロボット
>③顔写真を掲示して声も本人――の3通りで実験。
>すると、立ち止まったり、チラシを受け取ったりする人の割合が多かったのは②だった。

つまり見た目はロボットでも、中身が人のほうが効果があるというなんともおもしろい結果となっています。
完全に機会に接客されるのは抵抗があるが、見た目は人じゃないほうが受け入れやすい。
これは人間の性質であり、本能的に機械のコミュニケーションを受け入れられないということなのでしょうか。

僕はそうは思いません。今はまだ過渡期であり、「不完全なロボットを知っている」という前提があるからこその
抵抗感であり、もっと高度にAIが発達していき、人と区別がつかないコミュニケーション力を備え、
その環境に慣れ親しんだ人にとっては、むしろ人の接客のほうが不完全で不快だと思われてしまう可能性があると思っています。
30年後ぐらい先の未来でしょうか。できれば生きているうちにその光景を目にしたいですね。
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