
前回は「ISPの法則」の基本概念について述べましたが、今回はその中でも購買決定に重要な役割を発揮するISPの「S」=Search(選ばせ る)について掘り下げて解説いたします。衝動喚起(I)、購買動機付(P)を意識的にできているものの、「選びやすさ」が欠如している売場が意外と多く存 在します。
ドラッグストアと言えば、一部の医薬品や調剤薬局、カウンセリング化粧品を除くほとんどの売場が接客を行わない“セルフ売場”となります。
ただ商品を並べておくだけで、お客様が自分で商品を選び、勝手に買っていただけることほどラクなものはないですが、なかなかそうは行かないものです。特にドラッグストアは、狭いエリアに複数の競合商品がひしめき、それぞれが「自分が一番」と主張し合っているので、整理された陳列でない限り、これほど選びづらい売場はありません。
また、「分かりやすさ」だけではなく、新たな気づきを得られる「選ぶ楽しみ」を付加することもポイントです。
しかし、そう言った視点で売場を見てみると、残念ながら選びやすく整理された売場が意外と少ないことに気づきます。せっかく集客を行っても、選びづらさから何も買わずに出て行ってしまう人が増えると、みすみすチャンスを逃してしまいます。売場のインパクトや品揃え、価格の魅力はもちろんですが、実は「選びやすさ」も購買を後押しする非常に重要なポイントのひとつなのです。
今すぐ売場をチェック!選びやすい売場になってますか?
ブランドをただずらっと並べるだけではなく、さまざまな切り口で棚割を構成してみましょう。
カテゴリごとのウンチクPOPなどを配置すると、新たな発見を与えることができ、選びやすさだけでなく、選ぶ楽しみが広がる売場を作ることができます。
お店主導でこのような売場を作ることが出来ない理由として、「時間が作れない」ということが第一に上げられますが、「商品知識の欠如」も大きな課題です。選びやすい売場を作るためには、商品特性やカテゴリに対する知識が不可欠になります。
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