売り場ロジック
2015.02.16.月

選びやすさがセルフの命!

前回は「ISPの法則」の基本概念について述べましたが、今回はその中でも購買決定に重要な役割を発揮するISPの「S」=Search(選ばせ る)について掘り下げて解説いたします。衝動喚起(I)、購買動機付(P)を意識的にできているものの、「選びやすさ」が欠如している売場が意外と多く存 在します。

選びにくい売り場になっていませんか?

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ドラッグストアと言えば、一部の医薬品や調剤薬局、カウンセリング化粧品を除くほとんどの売場が接客を行わない“セルフ売場”となります。
ただ商品を並べておくだけで、お客様が自分で商品を選び、勝手に買っていただけることほどラクなものはないですが、なかなかそうは行かないものです。特にドラッグストアは、狭いエリアに複数の競合商品がひしめき、それぞれが「自分が一番」と主張し合っているので、整理された陳列でない限り、これほど選びづらい売場はありません。
また、「分かりやすさ」だけではなく、新たな気づきを得られる「選ぶ楽しみ」を付加することもポイントです。

しかし、そう言った視点で売場を見てみると、残念ながら選びやすく整理された売場が意外と少ないことに気づきます。せっかく集客を行っても、選びづらさから何も買わずに出て行ってしまう人が増えると、みすみすチャンスを逃してしまいます。売場のインパクトや品揃え、価格の魅力はもちろんですが、実は「選びやすさ」も購買を後押しする非常に重要なポイントのひとつなのです。
今すぐ売場をチェック!選びやすい売場になってますか?

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選びやすい売り場へ

ブランドをただずらっと並べるだけではなく、さまざまな切り口で棚割を構成してみましょう。
カテゴリごとのウンチクPOPなどを配置すると、新たな発見を与えることができ、選びやすさだけでなく、選ぶ楽しみが広がる売場を作ることができます。

お店主導でこのような売場を作ることが出来ない理由として、「時間が作れない」ということが第一に上げられますが、「商品知識の欠如」も大きな課題です。選びやすい売場を作るためには、商品特性やカテゴリに対する知識が不可欠になります。

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ブランド重視、雰囲気重視でシンプルな売場になっていませんか?すっきりしている売場は見た目はキレイですが、それだけでは衝動買いによる客単価アップは狙えません。お客さまの購買意欲をそそるためには、ただ商品をキレイにならべただけの売場ではダメなんです!

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 売れる売り場はPOPが鍵!

メー カー支給のブランドツールを並べただけの売場になってませんか?メーカーPOPは商品の特長を述べてくれていますが、その情報だけでは決してお 客さまにとって選びやすい売場ではありません。各メーカー、自分の商品が一番、と述べるのは当たり前です。せっかくの見込み客を逃さないように、メーカー POPに選びやすさを補足することが重要です!
「POPは大事!とにかくPOPを書けばいい!」その気持ちは間違っていないのですが、がんばりすぎると逆に、「伝わらない売場」になってしまいます。高い位置に細かい文字のPOPをいっぱい付けても、ただのウルサイ売場です。せっかくの言いたいことが何も伝わりません。

ドラッグストアのようなセルフの売場において、客単価を上げるために重要なのは「衝動買い」です。
ただし、“惜しい売場”では衝動買いは起こりません。
お客さまのついで買いを狙って起こすためには、法則に基づいた売場作りが重要なポイントです。
ISPの法則では、下記のように3段階に分けて、POPを設置することが原則です。

Iツールの役割は、とにかく通行人の足を止めること。
インパクトのある表現で、「?なんだろうこの売場?」「気になる!」と衝動を与え、棚に近づけましょう。


近寄ってくれたお客さまに、選びやすさ、選ぶ楽しみを与えるのがSツールの役割です。
使い方や性能、製品のこだわりなどをアピールして選びやすい売場にしましょう。
近寄って、選んでくれているお客様の背中を最後に押すのがPツールの役割です。そこで重要なのはあなたの言葉で「提案」すること。「こんな良いことがある商品、あなたの生活にいかがですか。私からあなたへのおすすめです!」人は第三者からの推薦を重視するものです。さらに、あなたは売場のプロ。
プロとしての意見を提案することで、「プロが言うなら買ってみようかな」と思ってもらえたら、ISPの法則の完成です。