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みなさんこんにちは。今月も業界にまつわるビッグニュースがありましたね。
このコーナーでは業界関連の旬なニュースをいくつかピックアップし、私ミスターDの私的な見解をコメントしていきます。

【ドラッグストア】

マツモトキヨシ　台湾へ進出
https://ryutsuu.biz/abroad/j101621.html

ドラッグストアが相次いで台湾への進出をはじめている。コンビニに比べ参入ハードルが高いため、なかなか海外進出が進んでいなかったドラッグストア業界だが、ここへ来て台湾が熱い。国内ではダントツの成長率を誇るドラッグストア業界だが、人口減による将来的な縮小は免れない。今のうちにアウトバウンドに力を入れておくことが将来のセーフティネットにつながることは間違いないだろう。

マツモトキヨシ　化粧品PBブランド「Bulk AAA（バルクトリプルA）」を発売
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000021903.html

マツモトキヨシから新PBブランドが発売された。「最高のコスパ」がコンセプトとのことだが、その名に違わずかなりの品質がうかがえる。小売企業はSPA化しないと生き残れないという流れになりつつあり、すでにコンビニ各社はPBへの注力が異常なレベルだ。ドラッグストアはどちらかというとまだNB品を主力にしており、いくつか存在するPB品も蓋を開ければ「OEM品に服を着せただけ」というものが多い中、マツキヨは以前からPBブランドの確立に相当な力を注いでいる。売上ランキングでは3位に転落してしまったマツキヨだが、この独自路線が結実する未来は色濃いだろう。

マツモトキヨシ　薬剤師の派遣を開始
https://ryutsuu.biz/strategy/j100428.html

こちらもマツモトキヨシニュース。人手不足が深刻化する薬剤師の派遣業へ進出するとのこと。本来なら派遣される側が自ら事業を手がけるのは異例だ。Amazonが自前で運送会社を立ち上げるぐらいのインパクトがある。基本的には自社内での利用と見られるが、どこまで競合へ提供していくのか、興味深い。

【広告規制】

ティーライフ 消費者庁から景品表示法措置命令
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2017/10/post-2979.html

益々強まる消費者庁による景品表示法の取り締まり。具体的な規制がなく、「医薬品的な効果を述べたら薬機法違反」というグレーな線引きしか存在しなかった健康食品に、業界が震撼するようなメスが入りつつある。今までダイエットサプリはグレーな広告表現を用いて「明確に痩せられるとは言ってない」という言い訳で乗り切れていたが、「確かに明言はしていないが、痩せられるような印象を与えているだろう」という「広告解釈」にまで行政が踏み込んできた形だ。実際に、「摂取するだけで痩せられる」という魔法のサプリなど事実上存在しないため、今後ダイエットサプリの広告は何も言えなくなるに等しい。

盛り上がる「物忘れ改善」　過度な表現に黄信号
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2017/10/post-2990.html

こちらは医薬品だが、同じく表示に対しての規制ニュースだ。にわかに売り場を賑わせている「物忘れ改善薬」だが、深刻な認知症を改善するものではなく注意が必要だ。ダイエットサプリと違って「物忘れ改善」という効果効能は、正式に厚生労働省が承認したものであるが、認知症改善を誤認するような表現に懸念した医師会からクレームがつく異例の事態となった。各メーカー担当者が呼び出され、改めて表示に対する注意を促されている様子である。セルフメディケーションを推進するための規制緩和と、治療機会の喪失による被害は表裏一体の現象であるため、なかなか落とし所が難しい。

薬の広告、表現柔軟に　15年ぶり基準見直
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG04H39_U7A920C1CR8000/

そんな中、むしろ広告表現の緩和への見直しも進んでいる。「言えることが増える」というよりは、「より正確に範囲を定められる」という方向性と思われる。医薬品の広告表現に関しては、今後こちらが絶対的なバイブルになりそうだ。業界関係者は必見である。