2022.10.11.火

第13回 POPのABCDE(4)Difference(違い)(1)


前回に引き続きPOPのABCDEについて説明していきます。
今回は4つめの「Difference」についてです。

「ひとつのカテゴリに付き1商品しか取り扱わない」
というこだわりのセレクトショップでもない限り、
棚にはどうしても似たような商品がいくつも並んでしまいます。

シャンプーやコスメなど、ブランドへの好みが分かれる商品はまだしも、
医薬品や日用品などに至っては、隣の商品と何が違うのか全くわからず、
パッケージを両手に眉間にシワを寄せて何度も見比べた経験は誰しもあると思います。
「こんなにたくさん同じような商品があったら何を選んだらいいかわからない」
という課題は当然関係者にも認識されているのですが、
なぜこのような状態がずっと続いてしまっているのかというと、
主に3つの原因があります。

①好みが多様化している
以前にもまして、消費者の好みが多様化しています。
また、核家族が増えて「ファミリー用」「一人暮らし用」
などと生活様式もひとくくりにできなくなってきています。
ジェンダーレスの時代でもありますので「男だったらこれ使っとけ」
という絞り込みも難しくなっています。
なるべくすべてのお客さまの意向に沿うべく品揃えを行うと、
必然的にひとつのカテゴリにも膨大な商品数が必要になります。

②メーカーの開発力が拮抗している
モノが少なく品質が達していなくてもとにかく出せば売れたという
昭和の時代と異なり、まず、品質が良くない商品は棚に並びません。
そして、各メーカーの開発力も非常に高いレベルに達しており、どの商品も甲乙がつけがたい。
「誰がどう見てもこの商品が最高」などというイノベーティブなプロダクトが
発売されることは1年に1回あるかないかで、発売されたとしても
すぐに他社もそのレベルに到達するので、結果的にコモディティ化してしまう。

③寡占化すると彩りがなくなる
では、売場をスッキリさせるために選りすぐりの商品を、
1カテゴリに1つだけ選んですごく選びやすい売場にしたらいいのでは?
と考えるのは簡単なのですが、そうすると売上が下がってしまうというジレンマがあります。
無印良品やニトリのようなSPA業態ならある程度は可能だと思いますが、
(それでも無印のカレーのバリエーションはヤバい)
「いろんなメーカーのいろんな商品を取り揃えております!」という総合感が売りである
ドラッグストアでそれをやってしまうと「あそこは品揃えが少ない」となり、
「同じものしか売ってないならAmazonで十分」と消費者の足が遠のいてしまいます。
いろいろな形や色や大きさのものが所狭しと並んでいるボリューム感は、
購買意欲を高めるためのカンフル剤でもあるのです。

商品を絞り込めない理由は上記のようなものなのですが、
それでも「何が違うかわからなくて買い物がしづらい」という問題が存在するのも事実です。
少しでも違いをわかりやすく、選びやすくするためにはどうすればいいのでしょうか?
次回はその手法についてお話します。
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