2017.04.24.月

業界ニュースまとめ読み〜4月号〜


みなさんこんにちは。今月も業界にまつわるたくさんのビッグニュースがありましたね。
このコーナーでは業界関連の旬なニュースをいくつかピックアップし、私ミスターDの私的な見解をコメントしていきます。

【ドラッグストア】

ウエルシアホールディングスが丸大サクラヰを完全子会社化
https://ryutsuu.biz/strategy/j041822.html

 先月のナチュラルホールディングスによるザグザグ買収につづき、今月も大型M&Aニュースが届いた。「丸大サクラヰ」と言われてもピンと来ない人もいると思うが、「ハッピー・ドラッグ」「ドラッグ・オー」などを経営する東北きってのドラッグストアチェーンだ。店舗数こそ72店舗と多くはないものの、青森県を中心に東北地方では一大勢力となっており、ウエルシアが手中に納めたことは業界的にはかなり大きなニュースだ。大手ドラッグチェーンによるM&A合戦は、さらに激しさを増してくるだろう。

調剤薬局アインホールディングス、200店増
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO15453810Y7A410C1L41000/

 調剤薬局最大手のアインホールディングスが勢いを強めてきている。記事によると2020年までに2,000店舗を達成する方針だという。調剤薬局は今まで規制に守らていた面もあり、市場競争にさらされていないため、コンビニやドラッグストアに比べると寡占化が進んでいない。厚生労働省によると全国の薬局数は15年度末時点で5万8300店とコンビニの5万4900店を上回る規模だ。しかし、ここへきて診療報酬の引き下げなどから、地場の零細店は存続が厳しくなってきている。マツモトキヨシやウエルシア、ココカラファインなどの大手ドラッグチェーンも調剤薬局の取り込みに力を入れており、今まで無風だった調剤薬局業界も、一気に再編が進んでいくと思われる。

Amazon、1類医薬品の販売開始
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1704/18/news078.html

 医薬品ネット通販解禁から、「第2類」「指定第2類」「第3類」の販売は行っていたAmazonだが、ここへきてついに「第1類」の販売もついに開始した。医薬品ネット通販に関してはいろいろとすったもんだがあったが、結果的に「第1類は薬剤師が常駐していないと売れない」というネット企業にとっては割りとハードルの高い条件にまとまったため、盛り上がりも沈静化していた。ロキソニンやガスター10は緊急性が高い商材のため、タイムラグが生じるネット通販でどこまで売れるのかなという懸念があるが、コンプレックス商材である「リアップX5」は間違いなく売れるだろう。私もこれからはリアップはAmazonで買う。

【コンビニエンスストア】

スリーエフがローソン・スリーエフに
http://news.mynavi.jp/news/2017/04/12/232/

 神奈川を中心に500店舗を展開していたコンビニ業界9位のスリーエフが、ローソンに転換する。先程の調剤薬局業界と異なり、コンビニは地場チェーンがどんどん大手3社に吸収されており、もう間もなく「地元ならではのコンビニ」が消滅してしまうのではという勢いだ。ドラッグストアも同じ路線を辿っている。

ローソン玉塚氏 会長退任へ
http://www.asahi.com/articles/ASK4D4C90K4DULFA013.html

 ユニクロ、リヴァンプで苦楽を共にした盟友の澤田氏がファミリーマート社長に就いたことからにわかに盛り上がっていたが、特に大きな話題もなく静かな退任となった。三菱商事がローソンを完全子会社化したことがきっかけとも言われているが、真相はわからない。この決断がローソンにとって凶と出るか吉と出るか。玉塚氏の今後の動向にも注目したい。

大手コンビニ5社が全店舗に無人レジ導入へ
http://news.livedoor.com/article/detail/12950242/

 働き手不足の解消のために、国を挙げてICタグのコストダウンに乗り出す。ホットスナックやおでん、タバコなどは今の設備ではセルフ化できないため、単にICタグの値段だけの話ではなく、抜本的なMDや設備の見直しが必要になるだろう。また、現在のコンビニは食品や日用品の販売だけでなく各種公共料金の支払いや住民票の発行、宅配便の受け取り、クリーニングなど「生活インフラ」となりつつあり、単にレジ打ちの人員を減らすだけで果たしてどこまで生産性が上がるのかという疑問は拭えない。ただでさえ政府主導のオールジャパン政策の時点で上手くいきそうにない予感がしているのは私だけだろうか…

【ロジスティクス】

クロネコヤマト 当日配送縮小へ
http://www.asahi.com/articles/ASK474SN5K47ULFA01J.html

 Amazonの主要運送を担うクロネコヤマトが、「当日便」の縮小へ踏み切った模様。Amazonはヤマトの穴を日本郵便で埋めていく方針だという。もともと佐川急便が条件面から撤退したAmazonをヤマトが入れ替わりで請け負ったのだが、どうやら火中の栗だったようだ。ヤマトは長時間労働問題も絶賛炎上中なので、正常化のために止む無くというところだろう。しかし逆にAmazonはサービスの攻勢を強めており、ヤマト撤退の影響は微塵も感じさせない。サービス面ではAmazonの一人勝ちになっていくのは必然だ。

“無人宅配”目指す「ロボネコヤマト」始動
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1704/17/news080.html

 そのヤマトがDeNAと組み、自動運転を用いた宅配サービスの実現を目指す。18年を目処に、一部実用化を計画しているという。UBERのように受け取り場所をユーザーがスマホアプリで指定し、到着した車のロッカーからQRコードを用いて荷物を受け取る方式。個人的にはこの手のイノベーションは大歓迎だが、使い手にかなりのITリテラシーを求めることとなり、実用化したところでどこまで普及するかというと、大きなハードルを感じる。

Amazon マツキヨ商品をプライムナウで配達
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1055543.html
野菜や乳製品を最短4時間で配送「Amazonフレッシュ」
http://jp.techcrunch.com/2017/04/21/amazon-fresh/

 翻ってAmazon。プライム会員向けのサービスである「プライムナウ」で、新たに「マツモトキヨシ」「ココカラファイン」「三越日本橋本店」と提携し、Amazonが配送を請け負うとのこと。Amazonの弱みは「今すぐ欲しい日用品」だが、こうしたサービスの拡充により、リアル店舗に足を運ぶ必要性がどんどん潰されていっている。そして最後の砦である「生鮮食品」にもついに「Amazonフレッシュ」で乗り込んで来た。「Amazon VS 日系企業」のような対立構造で語られることが多いが、いつだって生活者はサービスの味方である。一度飲み込んでしまった便利を、後から吐き出すことはできない。

   

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