
みなさんこんにちは。先日ポケモンGoがアップデートされ、サンタピカチュウなど新たなポケモンが追加されましたね。感謝祭以降、何匹ポッポを捕まえても全くメタモンが出ず、もうどうでもよくなってしまった私には、本当にどうでもいいですが。ヨーロッパ人の知人がまだポケモンにハマっていて、すごいなと感心しています。
さて、このコーナーでは業界関連の旬なニュースをいくつかピックアップし、私ミスターDの私的な見解をコメントしていきます。
http://www.mylifenews.net/cosme/2016/12/hdpbblanc-white.html
マツモトキヨシのPB戦略が加速している。もともとコンビニに比べてPB戦略への取り組みが遅れていたドラッグストア業界だが、中でもマツモトキヨシだけは以前からPBに力を入れていた。マツモトキヨシは特に化粧品の販売力が強いため、高価格帯の化粧品の投入で利益率を底上げしていく狙いだ。ただし、マツモトキヨシの店舗には制度品メーカーの美容部員が入店して販売していることが多い。PBに力を入れれば入れるほど、NBメーカーとの距離は遠ざかってしまう点が課題となるが、MDがどこも似通ってきてしまっているドラッグストアにおいて、PBへの注力は避けて通れない不可逆の流れである。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ30HPN_Q6A131C1TJC000/
先月もマツモトキヨシが調剤への支援を行うというニュースがあったが、ココカラファインも調剤薬局の取り込みに注力している。スーパーやコンビニとの均質化が加速する今、ドラッグストア業界において「調剤薬局」「HBのPB戦略」この2つが焦点となっていきそうだ。
http://japan.cnet.com/news/service/35093152/
ボタンを押すだけで日用品が届く「Amazon Dash Button」が日本でも開始された。さっそく私も使ってみた。冷蔵庫にウィルキンソン、洗濯機にナノックス、トイレにエリエールのボタンを設置した。青いLEDがピカピカするだけなので、ちょっと「買った感」が弱いと思った。チャリーン♪とか音すると最高なのだが。しかしこのIoTの潜在能力は恐ろしい。Amazon担当者は「日用品の買い物はただの労力であり、ショッピングに行っても楽しいものではない。Amazonのミッションは、日用品のシッピング体験を消滅させることだ」と語っているが、まさにそのとおりだ。洗剤やトイレットペーパー、飲料などは指名買いが多く、重い。こうした日用品を買うためだけにドラッグストアを訪れる人もいるため、日用必需品を買いに来た生活者にどうやってその他の商品をついで買いしてもらうか、というマーケティングが重要だったが、今後それが全く通用しなくなる可能性がある。ただのボタンだが、リアル店舗にとってはミサイル発射ボタンとなってしまうかもしれない。
http://jp.techcrunch.com/2016/12/06/20161205amazon-go/
またしてもAmazonの小売店破壊爆弾が点火した。以前ユニクロのセルフレジが話題になっていたが、この店舗はレジすらない。入り口でAmazon認証を行えば、センサーとカメラで個人を追跡して「手にとって購入意思を示した」段階でアプリの買い物カゴに加算される。棚に戻せばカートから消える。買いたいものはそのまま持ち去れば会計が完了する「レジのないお店」。以前Amazonがリアル本屋を持つ謎が報じられたが、おそらく消費者の行動パターンを収集し、Amazon Goに入力するためだったと思われる。恐るべしAmazon。日本上陸が待ち遠しい。
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1612/12/news106.html
負けじとローソンからもセルフレジのニュース。パナソクックと共同で「袋詰め」までできるレジロボットの導入計画を進めているという。利益率の低いコンビニ経営において、アルバイトの人件費は非常に高いウエイト占めている。アルバイト情報誌から「コンビニ・スーパー定員」の求人が消える日は、そう遠くないだろう。
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20161205-OYT1T50090.html
http://www.excite.co.jp/News/it_g/20161215/Itmedia_news_20161215087.html
11月末からにわかに話題になり、一気に大炎上へ発展したDeNAキュレーションサイト問題。同様のサービスを行っている他社サイトでも記事削除をしはじめ、出広を予定していた広告主の計画が頓挫するなど、多大な影響を巻き起こしている。広告業界のはしくれとして、この話題に触れずにはいられないだろう。とはいえ、「ユーザー参加メディアと言ってたのに大量に記事を内製していた」「ゴミ記事を膨大に作ってGoogleのSEOに特化していた」「ヤラセ記事のマニュアルがあり、クラウドソーサーに激安で発注していた」「記事や写真などをパクりまくっていた」といった諸問題に関しては、すでに山ほどの記事があるので、今回はあまり触れられていない薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律。旧薬事法)の観点から本件を述べたいと思う。
一般ユーザーと広告主にとってインパクトの大きい「MERY」に話題が集まっているが、本件の発端となったのは医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」だった。「WELQ」は「ココロとカラダの教科書」をコンセプトに、健康法や医療情報、化粧品情報などに関する複数のライターがまとめた記事を配信しており、炎上する以前から、検索の上位に表示されるものの「肩こりは幽霊の原因?」などの医療的根拠の薄い記事が多いという問題を専門家から指摘されていた。しかし、ここでひとつ疑問が湧くのだが、「キュレーションサイト」とうたっている以上、一般のライターが勝手に上げている記事に対して、DeNAが責任を持つ必要はないはずだ。実際、当初はそういう論調で逃げていた。しかし一転、「実は一般ユーザーではなく自社で仕掛けてました」と認め、記者会見まで開き、WELQだけでなくすべてのキュレーションサイトを閉鎖するまでに至った。「悪質なSEO」「根拠のない記事」「コピペや写真転用などの著作権問題」などは確かに無視できないが、他にも似たようなサービスは山ほどあるもののいままで全く放置されていたぐらいである。それに発端はユーザーの多い「MERY」ではなく、新しい「WELQ」という、正直事件が起こるまで知らなかったようなサイトであった。なぜWELQからここまで問題が拡大してしまったのか。それを裏付けるニュースがある。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1611/30/news084.html
個人的には、本件の重大性を決定づけたのはこの出来事ではないかと思っている。ITmediaの記事によると、東京都の薬事監視担当課が「WELQは医薬品販売サイトではないため、従来は監視対象ではなかったが、情報サイトであっても、『特定の商品がこういう病気に効く』と記載すると法的には医薬品に当たる。WELQの記事は薬機法の観点からも問題があると判断した」と述べたという。そうなのだ。WELQは薬を販売しているわけではないので、本来薬機法は関係ないはず。本当に「ただのキュレーションメディア」であれば、言論の自由があり、どんなに信憑性が低い記事を量産してもまったく問題ない(薬機法的には)はずだ。
薬機法の適応範囲が医薬品販売以外に該当するのは「広告」である。確証がないため明言は避けられているが、要は東京都は「WELQは薬機法に抵触する記事広告を販売していたのでは」と疑っているのだ。サイトが閉鎖されているため実際の記事はもう追えないが、WELQには「妊活サプリはこれがオススメ!」のような記事があり、特定商品へのリンクが貼られている例もあったという。これはかなり黒に近いグレーだ。このとき、書かれている記事の信憑性は関係ない。「不妊治療」という医療行為に効くとして、特定のサプリを広告として勧めた時点で「無承認無許可医薬品の広告」となり、薬機法違反となる。実際に違反かどうかは「広告か否か」が論点になるのだが、「一般人が勝手に善意でオススメサプリの記事を上げただけ」なら広告とは言い切れない。しかし、本当にそうだろうか。サプリのメーカーから広告費を徴収し、記事広告を主体的に書いたのではないか。東京都が疑っているのはこの点であると思われる。DeNAは、「これは広告ではない」ということを証明しなければならないが、その点に関する弁明はなく、すべてのキュレーションサイトを閉鎖している。これは暗に「すいませんキュレーションといいつつ記事広告でした」という証明になってしまっているのではないだろうか。
この出来事は、実は業界を震撼させている。今まで、メーカーの通販LPなどは積極的に取り締まられていたが、キュレーションメディアやアフィリエイトブログは、一見外部からは広告と断言できないため、グレーの範囲として見逃されてきた。しかしこの度の一件で、「キュレーションメディアやブログにも今後はメスを入れていきますよ」という宣戦布告が行政からくだされたと私は見ている。DeNAは弁護士などの法律関係者を募って第三者委員会を立ち上げたが、この点に関してはどうしていくのだろうか。
キュレーションメディアのマネタイズは二種類しかなく、良質な記事を内製してユーザーから課金を行うか、もしくはPVを上げて広告販売を行うかのいずれかである。WELQはおそらく後者でのマネタイズを狙っていたのだと思われるが、この事件によって医療関係の記事広告は一切できなくなってしまった。繰り返すがこれは記事の質、信憑性は関係ない。薬機法的には、いくら裏付けがあっても、記事の信憑性が高くても広告自体を禁止しているのだから、専門家を擁して記事の質をいくら上げたところで無意味なのだ。まあそういう意味では、元々サービス設計の時点から薬機法違反になるため広告でのマネタイズを行えないことはわかっていたはずだが…。調査期間は3ヶ月とのことなので、来年の動向に注目したい。
2018.05.22
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