売り場ロジック
2015.04.08.水

ジャンブル陳列にチャレンジ!

足元はもう一つのゴールデンゾーン!?

売場のゴールデンゾーンといえば、お客さまの目線の高さに注目しがち。でも実は、足元のスペースにこそチャンスあり?!今回はお客さまの視線が集まる足元の展開について解説します!

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ジャ ンブル陳列とは、カゴやワゴンなどに商品を入れてフロアに置く陳列手法。投げ込み陳列とも言われています。都市型の店舗面積が狭い店舗で、商品展開スペー スを広げたい時などによく見られる手法ですが、ジャンブル陳列には都市型店舗以外でも挑戦したくなる利点があります。

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一般的にゴールデンゾーンは目線の15〜60cm下と考えられていますが、足元も意外と視線が
集まる
もの。足元に「お?」と思う商品が置いてあると、お客さまは思わず手にとってしまいます。

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お客様は、棚の高い場所には価格の高い商品が、低い位置には特売のものなど価格の安い商品が陳列されているように自然と感じます。本当は利率の高い商品も、ジャンブル陳列によってお客様にお得感を感じてもらえるかも!
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このように、足下スペースを活用した陳列は大きなチャンスとなり得るのです。
では具体的にどのように陳列するのか見ていきましょう。

漫画ななほしドラッグ
2015.04.01.水

第8話「愛の品出し」

今日も「ななほし★ドラッグ」の店員さんは汗かき奮闘中。
そんな日常の一コマを皆様にもお届け致します。
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作画:森子・F・森夫

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売り場を活かす陳列&MD
2015.03.25.水

スタッフではなく、お客様にメリットのある棚割りを。


 はじめまして。こちらのコンテンツを担当する十文字誠です。
さっそくですが、夏になるとスーパーマーケットで、そうめん、めんつゆ、きざみ海苔、いりごま…などなど、こういった商品が集められた売場を見かけませ んか?これは「ついで買い」を誘発する「クロスマーチャンダイジング」という販売方法のひとつ。こちらのコンテンツではそういったお客様の“ついで買い 心”をくすぐるヒントや情報をまとめてお送りしていきます。

そもそもですが、マーチャンダイジングってよく聞くけど…なに?

広義のマーチャンダイジングは小売り業者が消費者に提供する業態、店舗立地、価格、品揃え、商品開発、店舗運営、物流、販売、顧客管理等に関する活動を 表し小売企業の展開するマーケティングということになります。一方、狭義のマーチャンダイジングは「商品化」を表しており、仕入れ、商品開発、適切な品揃 えを行う事を差しています。冒頭からなにやらごちゃごちゃと堅苦しい言葉が並んでしまいましたが、簡単にまとめると商品陳列(棚割)という言葉に言い換え られるかと思います。


クロスマーチャンダイジングについてもっと教えて!

クロスマーチャンダイングとは先にも記述した通り「ついで買い」を誘発する商品陳列手法で、関連商品の販売、あるいは同一商品をお店の各所で販売するこ とを意味します。お店にとって売上増に繋がる販売方法ですが実現には困難が伴う側面も。それはお店(小売業)の内部事情が影響しています。お店の事を思い 浮かべて頂きながら読んでもらえると理解しやすいかと思いますが、小売の現場では品出しや発注、在庫管理といった店内作業(スタッフの作業)を中心に考え られて作られており、「売り方」を考えるところまで配慮が行き届いていない…といったお店がとても多いかと思います。医薬品の担当、日用雑貨の担当、とい うように商品カテゴリーごとに担当者が決まっており、その人が商品の発注から商品陳列、演出といった売場管理を行っている事が多くみられます。今の季節で すと、鼻炎薬の棚にマスクを並べるには、それぞれの担当者の合意を取らなければなりません。
お店側の事情もあるかと思いますが、クロスマーチャンダイジングの棚はお客様のメリットが大きいのも事実。関連した商材を陳列することにより、購買を促 進させ、ひとつの商品だけの陳列と比べて買い上げ品数増加を期待できますし、商品の持っている「価値」を訴求するので、価格競争を避けられる狙いもありま す。「価値」とはその商品を一緒に買うことで生まれるもの。今では当たり前になりましたが、“鼻炎薬×マスク”では「花粉症対策」という「価値」が生まれ ます。
さらに、お客様にとっても買い忘れを防止したり、広い店内をあちこち回らずにその場で目的の物が全部揃うので買い物効率が高まったりと、良い事尽くめ。少しの工夫がお客様のメリットに変わるかもしれません。
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クロスマーチャンダイジングをする事で得られる効果って…なんですか?

再三書いておりますが、お客様のメリットが第一にあります。他にも店舗へのメリット、メーカーへのメリットも考えられます。今回の話しを少し整理する と、お客様には「商品の新たな価値を知ってもらい生活が快適になる」というメリット。店舗には「買上点数アップ&客単価アップによる売上増」とい うメリット。メーカーには「商品の新たな価値を訴求することで他商品との相乗効果が得られ、価格競争を避けられる」というメリットがあります。
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今スグ出来る、クロスマーチャンダイジングのご提案!

3月も終わりが近づき、そろそろお花見の季節ですね。
おつまみ、飲み物、レジャーシートをバッグに詰めて、いざ出発!…の前に、もう一度持ち物を確認してみましょう。
やはりまだまだ花粉症の季節が続いていますのでマスクも入れておきましょうか。女性が気になるのは紫外線。必ずしも日陰にいれる訳ではないかもしれないこ とを考えると日焼け止めもあるといいですね。手が汚れた時はウェットティッシュが便利ですし、この時期、夜は冷え込みますからカイロがあると人気者になれ るかも。割り箸、紙皿、紙コップ。忘れちゃいけないのがそれらを最後に捨てるゴミ袋。自分で出したゴミを片付けるのがマナーですからね。少し考えただけで もひとつのコーナーが作れそうです。どうでしょうか、週末のお花見客を見込んで「お花見コーナー」を設置してみては?
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それでは最後に、締めの一言。
クロスマーチャンダイジングとは、商品から新たな価値を見いだし、提案することでお客様の“ついで買い心”をくすぐる事である。

販促什器の活用法
2015.03.16.月

ハンガー什器 〜その目的と活用方法!〜

ハンガー什器とは?
什器やポスター、パンフレットなど、お店で使われる様々な販促ツール。
メーカーから支給されるこれらのツールは、使い方によってその価値は上下します。
これからこのコーナーでは、様々なツールの特徴や活用法をご紹介いたします。
今回は、多くのドラッグストアで使われている、ハンガー什器について解説。
ハンガー什器と聞いても、あまりピンとこない方に簡単にご説明しますと、
棚に置くのではなくS字フックとヒモを使って棚の側面などに引っかけて使う販売什器のことを、
販促業界では「ハンガー什器」と呼びます。(他にも吊り下げ販売台と呼んだりもします。)
要は、棚などに吊り下げるタイプの什器のことですね。

ハンガー什器とは

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ハンガー什器の目的って?
皆さんは提供される販促什器に関して、その什器の目的というものを考えたことはありますか?
もちろん“商品の説明をして商品を売るため”という点では共通しているのですが、

それぞれの什器は、それぞれ異なる目的を持っているのです。
今回のハンガー什器は、棚に置かれる一般的な什器とは異なり、「棚の商品を入れ替える手間」
「什器を設置するスペースを確保する手間」を省くことができます。
しかしそれ以上に大きなメリットは2つ。「スペースの有効活用」と「ついで買いの促進」です。
小さい/薄い/吊り下げられる、といったハンガー什器の形状は 設置場所の選択肢が非常に多様です。
ということは、
・新しい季節限定商品を売りたいけど、棚は既に定番商品で一杯で置くスペースがない
・知名度の低い新商品は複数フェイスは確保できないが、売れそうなので何とか目立たせたい
・売り切り商品だから、売り切った後はまた元の棚割りに戻さなきゃいけないのが手間
このような場合でも、“引っかける場所さえあればどこにでも設置できる”という利点から
エンド棚のサイドスペースや柱スペースなどといった、商品を陳列していない(できていない)「デッドスペース」を活用し、より多くの商品を陳列することが可能になります。
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また、どこにでも置けるということは、もうひとつのメリットとも密接に関わってきます。
通常、商品は基本的には定番棚に置かれるもの。しかし、定番棚に足を止めて商品を買っていくのは、
当初からその商品を買う目的をもっているお客さま(指名買い)がほとんど。
はじめからその棚の商品を買うつもりがないお客さまは、足を止める理由がありません。そんな指名買いのお客さま以外にも商品の前で足を止めていただき、購入してもらうために有効なのが、クロスMDです。
クロスMDとは、本来の棚とは離れた場所(関連する商品の棚付近)に商品を設置することで、
関連商品を購入するつもりだったお客さまに、売りたい商品をセットで購入してもらう(ついで買い)ことを狙う手法。
“鍋のスープを肉/魚/野菜売り場の付近に置く”などが典型例ですね。
こういったクロスMDを考えるときに便利なのが「どこにでも置ける什器」の存在。
そう、ハンガー什器は『ついで買い誘発』を狙えるツールでもあるということです。
ハンガー什器の特徴は、設置場所を選ばないことによる『デッドスペースの活用』と『ついで買いの誘発』
が可能であること。これらを意識して、効果的にハンガー什器を設置してみましょう!

【ハンガー什器の活用例

■UV効果が高いリップ→UVケア商品(日焼け止めコーナー)に!
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眼精疲労対応の目薬→外用鎮痛消炎薬(塗布/貼付)売り場など肩こり対策コーナーに!
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■まつ毛用美容液→まつ毛に負担をかけるアイテムである「つけまつげ」コーナーに!
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売り場ロジック
2015.03.13.金

検証!選びやすいと売れるのか?!

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選びやすさの重要性について(株)ティラノがヘアケア売場で行った効果検証が興味深い結果をもたらしている。実施前と実施後、売場のインパクトは一目瞭然だが、実はインパクトだけでなく、「選びやすさ」を重視した売場作りを 行っている。実施前はブランドごとの陳列になっていた売場を「お買い得コーナー」として大きく棚割を変更し、選びやすさを重視したPOPを配置している。 ヘアケア商品、特に詰め替えにおいて「価格と容量」は重要なポイントだが、商品によって容量が異なり、シンプルに価格を比較することが困難なことが多い。
そこで、統一基準で比べられるように「10mLあたりの価格」を表示したPOPを各商品に設置。これにより詰め替えの「選びやすさ」を向上させた。 さらに、それだけでなく、中価格帯の特定のブランドに対し、価格以外の選択ポイントである「機能性」を訴求したPOPを付加。これにより、価格と機能の両 側面から「選びやすさ」「新事実の発見」を演出。意図的に仕掛けを施した売場づくりを行った。

POPで選びやすさは変わる!?

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売り場ロジック
2015.02.16.月

選びやすさがセルフの命!

前回は「ISPの法則」の基本概念について述べましたが、今回はその中でも購買決定に重要な役割を発揮するISPの「S」=Search(選ばせ る)について掘り下げて解説いたします。衝動喚起(I)、購買動機付(P)を意識的にできているものの、「選びやすさ」が欠如している売場が意外と多く存 在します。

選びにくい売り場になっていませんか?

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ドラッグストアと言えば、一部の医薬品や調剤薬局、カウンセリング化粧品を除くほとんどの売場が接客を行わない“セルフ売場”となります。
ただ商品を並べておくだけで、お客様が自分で商品を選び、勝手に買っていただけることほどラクなものはないですが、なかなかそうは行かないものです。特にドラッグストアは、狭いエリアに複数の競合商品がひしめき、それぞれが「自分が一番」と主張し合っているので、整理された陳列でない限り、これほど選びづらい売場はありません。
また、「分かりやすさ」だけではなく、新たな気づきを得られる「選ぶ楽しみ」を付加することもポイントです。

しかし、そう言った視点で売場を見てみると、残念ながら選びやすく整理された売場が意外と少ないことに気づきます。せっかく集客を行っても、選びづらさから何も買わずに出て行ってしまう人が増えると、みすみすチャンスを逃してしまいます。売場のインパクトや品揃え、価格の魅力はもちろんですが、実は「選びやすさ」も購買を後押しする非常に重要なポイントのひとつなのです。
今すぐ売場をチェック!選びやすい売場になってますか?

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選びやすい売り場へ

ブランドをただずらっと並べるだけではなく、さまざまな切り口で棚割を構成してみましょう。
カテゴリごとのウンチクPOPなどを配置すると、新たな発見を与えることができ、選びやすさだけでなく、選ぶ楽しみが広がる売場を作ることができます。

お店主導でこのような売場を作ることが出来ない理由として、「時間が作れない」ということが第一に上げられますが、「商品知識の欠如」も大きな課題です。選びやすい売場を作るためには、商品特性やカテゴリに対する知識が不可欠になります。

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