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みなさんこんにちは。今月も業界にまつわるビッグニュースがありましたね。
このコーナーでは業界関連の旬なニュースをいくつかピックアップし、私ミスターDの私的な見解をコメントしていきます。

【ドラッグストア】

ツルハが杏林堂を子会社化　ドラッグストア首位に
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/124592

　今月はなんといってもこのニュース。ナチュラルHDによるザグザグ、ウエルシアHDによる丸大サクラヰなど、大型M&Aが連続していたが、次は杏林堂がツルハに。丸大サクラヰと同じく、杏林堂はナショナルチェーンに比べて規模こそ大きくないものの、東海地方においては絶大な勢力を持っており「まさかあの杏林堂が」と、突然のM&Aに業界は騒然としている。さらに、このM&Aにより、ウエルシアを抜いてツルハが業界首位に躍り出ることとなった。つい先日、ウエルシアが22年ぶりにマツキヨをひっくり返したと話題になったばかりだったが、トップのデッドヒートがめまぐるし過ぎる。小売業界の中では脅威の成長率を誇るドラッグストア、まだまだ勢いが続きそうだ。

サツドラHD　台湾に進出
https://ryutsuu.biz/store/j010626.html

　トモズに続きサツドラも台湾に注力。高い成長率とは言え、オーバーストア、ネット通販台頭などの要因で盤石とはいえない国内市場。海外進出はハードルが高いが、「少子高齢化」においては世界に先駆けている日本で培ったビジネスモデルは、確実に今後の海外においても有効である。台湾にはまだいわゆる「日本式ドラッグストア」も多くないため、今後の成長に期待したい。

ココカラファイン　イズミヤの調剤事業を買収
http://www.sankei.com/west/news/170731/wst1707310075-n1.html

　先日のシニアコスモス買収に続き、ココカラファインが新たに調剤事業を取得した。業界トップが激しいM&Aで激戦を繰り広げる中、静かに、着実に調剤事業を伸ばしているココカラファイン。同質化・寡占化しているコンビニとは異なり、同じドラッグストアという業態の中でも、企業の方針によってかなり色が別れて来そうだ。

ネット販売規制訴訟　楽天子会社が控訴
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG02H94_S7A800C1CR8000/

　先月の判決に対し、やはり東京高裁へ控訴となった。楽天子会社に分が悪いように思えるが、もし最終的に違憲判決となったら業界的には大事件と言える。まだまだ時間がかかりそうだが、行方を見守りたい。

【コンビニ】

ローソンが8年ぶりレジ刷新　釣り銭自動で、外国語にも対応
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ09HVZ_Z00C17A8TJ2000/
ドコモが「ＱＲ決済」導入　買い物代、毎月の携帯料金に合算　今年度、ローソンなどで
http://www.sankeibiz.jp/business/news/170814/bsj1708140500001-n1.htm

　決済がどんどんバージョンアップするコンビニ業界。個人的にはApple Payの導入でかなり助かっている。QR決済は中国ではスタンダードになっているが、日本はまだまだ普及していない。日本ではまだ、ウィーチャットペイのような圧倒的シェアサービスが生まれていないためと思われるが、キャッシュレス社会への流れは不可逆であるので、早くデファクトスタンダードとなるサービスが現れて欲しい。個人的にはApple Payの飲食店普及にとても期待している。

セブン、シェア4割突破
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO19261240W7A720C1TJ1000/

　セブン・ファミマ・ローソンの3社でシェアの9割を占めるという異常な寡占化が進むコンビニ業界。その中でセブンがなんと4割を占めているという。すごすぎる。ドラッグストア業界ではまだここまでの圧倒的王者が現れておらず、トップが激戦を繰り広げているが、似たような構成になっていくのだろうか。小売業界の未来はまだまだ予測が不可能だ。

【フィンテック】

Bitcoin分裂　新通貨Bitcoin Cash誕生
http://gigazine.net/news/20170807-bitfinex-not-issue-bcc-token/

　以前から懸念されていたハードフォーク問題により、8/1にビットコインから分裂した「ビットコインキャッシュ」が新たに登場。「分裂」というからにはビットコイン0.9に対してビットコインキャッシュが0.1程度となり、つまり「旧ビットコイン=ビットコイン+ビットコインキャッシュ」となる予測がなされていたが、実際は違った。分裂ではなく単に「新たなアルトコインの登場」であり、ビットコイン自体の価値は減るどころかむしろ大幅に増加。ビットコインキャッシュ自体も一時日本円で8万円の値をつけるなど、お祭り相場となった。

ビットコイン、急騰続く―5,000ドルも見えてきた？
http://www.excite.co.jp/News/it_g/20170815/Jic_203161.html

　記事にするからには「買ったことがない」というのはまずいと思い、分裂騒動直前についに私もビットコインを買ってみたので、結果的に末席ながらこのお祭りに参加している。取引市場の4割が日本円で占められているという情報もあり、日本人の隠れた「投機好き」があきらかになっているが、日によっては10万円前後も相場が変動することもあり、とてもじゃないが素人が乗りこなせそうなシロモノではない。「ビットコインで自己破産」というネットニュースが巷にあふれるのも、時間の問題かもしれない。

丸井グループがビットコイン決済導入
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1708/07/news093.html

　最大手取引所である「ビットフライヤー」が丸井グループとビットコイン決済をはじめる。ただ、正直なところ決済に利用する日本人はほとんどいないのではないだろうか。前述の通り一日で信じられないぐらい相場が動くので、タイミングによっては決済で大きく損をしてしまうこともあり得る。日本には非常に安定している日本円がある以上、決済通貨としての普及は期待できそうにない。