てんとうむしweb編集部が『POP』の概念を覆し、POPカルチャーを世に啓蒙するコチラのコンテンツ。

第6回はなんと、第1回で自宅POPをご披露頂きました『ぽいふるん』氏から、『自宅でPOP第2弾』のお知らせが届きました。
POPと言えば手書きPOPやボード、ダミー…そんな固定概念を覆し、もっとPOPという言葉を広く、文化的な意味にできないだろうか——。今回の記事に共感いただけましたら『★いいね!』ボタンを押してください。

すでに第1回でPOPアーティストとして高い実力を発揮したぽいふるん氏。
その氏が第2弾を作るというのだから、クオリティはすでに保証されている。
期待を胸に、我々編集部は取材現場へと急行した。

popart

――お久しぶりです。再びPOPアートを制作されたとお聞きしましたが。

ぽいふるん(以下ぽ):前回はアナログ画材を駆使して手書きPOPとして作品を作りましたが、今回はPCで手書き風に作成してみました。

――なるほど!変化をつけて1回目と差を…さすがですね!

ぽ:枚数は前回と同じ3枚です。順番にお見せしますね。

――よろしくお願いします。

ぽ:では1枚目。こちらです。

POPアート作品「フライパンPOP」

制作コメント:フライパンが熱いなんて誰もがしってるので、もっと誰もが知らない熱いものにすればよかったですが、誰もが知らない熱いものなんかきっとありません。

 

――なるほど。一見お店に設置されている手書き風POPに見えますが、調理器具の注意を促しているわけですね。
小さいお子様がいる家のキッチンに貼って、危険性を説くのに有効ですね!

ぽ:お子様は「触」って漢字読めませんけどね。

――え?ああ、うん。そ、そうですね。

ぽ:ちなみに、実際に使用した写真がコチラです。

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――…ええと、なんと言いますか。

ぽ:はい。

――シュールですね。

ぽ:良いでしょう。POPというのは、なんじゃこりゃ、と思わせてこそですから。

 

POPアート作品「落書きだらけの壁」

制作コメント:ちょっと昭和すぎました。
きっとのび太くんだったらやばい!と思ってくれるはずです。

 

――な、なるほど。
でも今のご時世、見知らぬ他人が子供に叱ると通報されたりしますからね。
互助的な意味で有効なPOPと言えるでしょう!

ぽ:本当に子供を叱るような人の場合、コレ貼った時点で怒鳴り込んできますけどね。

――あ、そうですね…。
えっと、最後の作品を見せて頂けますか?

ぽ:こちらです。

POPアート作品「横断歩道は恋してる」

制作コメント:横断歩道を無視して道路を歩く人って結構いますよね。
そんなあなたもツンデレには敵わないですね。
ちなみに顔面だけなのは手抜きじゃなくて、白線自体をツンデレの女の子にするためです。
ただよっぽど大きくなくちゃ目立ちませんね。
あと夜は見えません。

 

――う~~~ん…と。
た、たしかに横断歩道以外を歩いたら危ないですけど、そういう人って素直に従わないですもんね!
横断歩道を歩け!という押しつけではなく、自発的に横断歩道を歩きたくなる仕掛けですね!素晴らしいですね!!

ぽ:そもそも横断歩道にPOP貼るの現実的じゃないですけどね。

――あっはい…なんかスイマセン。
(なんでフォローしたのに全部こっちが悪いような雰囲気に…?)

ぽ:ちなみに横断歩道にPOP貼ってみた写真がこちらです。

――今現実的じゃないって言ってませんでした!?

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――ますますシュールですね。

ぽ:横断歩道が可愛く見えてくるでしょう?

――コメントは控えさせていただきます。

 

 

ぽ:それで、今回の作品はPOPアートとしてどうでしたか?

――っと、そうですね。
POPと言えば店頭にあるもの、という概念を覆し、日常生活をPOPで彩ることができるんだ、という意味では前回からブレていませんし、作品そのもののデザイン力というか完成度も高いです。
ですので、非常に素晴らしいPOPアート作品だと思います!
でも、2作品目と3作品目は「自宅POP」とは言えないのでは?屋外に貼るPOPのようですし。

ぽ:自宅POPなんて1回も言ってないですよ。今回のテーマは日常生活POPです。

――えっ?

ぽ:さてさて。褒めてもらって気分が良いので、お酒でも買ってきます。
取材は終わりですよね。掲載楽しみにしています。では、また。

――え、あの、ちょっと?

――え~と…。

――…………以上、第6回POPアートでした!今回も良い作品でしたね!
次回もお楽しみに~!

 

 

てんとうむしweb編集部が『POP』の概念を覆し、POPカルチャーを世に啓蒙するコチラのコンテンツ。

第5回は『暴れん坊甘えん坊』氏による、『羊毛POP』をご紹介いたします。
POPと言えば手書きPOPやボード、ダミー…そんな固定概念を覆し、もっとPOPという言葉を広く、文化的な意味にできないだろうか——。今回の記事に共感いただけましたら『★いいね!』ボタンを押してください。

第3回「帽子POP」、第4回「食べるPOP」で、方向性を見失いつつあったPOPアート。
企画に一抹の不安を抱き始めていたが、今回まさかの超・真剣な、ガチPOPアートを目にすることとなる——。

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雨が続く梅雨の昼下がり、一本の電話がてんとうむし編集部に入った。
「POPアートにふさわしい作品が完成したので見てほしい」
電話の相手は羊毛フェルト職人と名乗る男性。いったいどんなPOPアートを見せてくれるのか、期待と不安を胸に、指定された住所へと向かった。

――こんにちは。

暴れん坊甘えん坊(以下暴):こんにちは。暴れん坊甘えん坊です。

——な、なかなか素敵なお名前ですね。
…ええと、羊毛フェルトでPOPアートを作られたとのことですが、そもそもなぜ羊毛でPOPを?

暴:そうですね。本来、手書きPOPというものは一点物です。量産されることもなく、書いた人がいるその店舗にしか設置されない、という意味でね。
量産できない物なのであれば、いっそのこと突き抜けて、思いっきり手の込んだ一点物の極みを目指してやろう、そう思ったんです。

——なるほど、一点物の極み。

暴:手書きPOPを書けるようになると、書けない他のスタッフから「私にも書いて」と要望を受けることがある。そこで、誰が見ても作り込みに膨大な時間が掛かっているな、と感じられるPOPなら、簡単にお願いをされることもない。こういう狙いもあります。

——深いですね。では、早速ですがPOP作品を見せて頂きたいのですが。

暴:どうぞ。

羊毛POP作品『店長オススメ!』立体感のある羊毛フェルト製POPだ。

まさしく手書きPOP。雲形にキャラクター入り、そして「店長オススメ」の文字。絵に描いたような手書きPOPだ。
ただし、異質な点が1つだけある。
そう、このPOPはなんと、羊毛でできているのだ…。

——こ、これは…物凄い力作ですね。かなり時間が掛かっているようにお見受けしますが、どれくらい制作に時間を?

暴:通算で12時間くらいかな?そのうちキャラに3〜4時間程度です。

——これを12時間で…?失礼ですが、羊毛フェルト制作はいつ頃から始められたのですか?

暴:半年前からですね。これで4作品目です。

——4作品目!そんな短期間で…。単純にPOPとして見ても違和感が全く無いですし、なにより立体感が凄いですよ。

暴:学生の頃、フィギュアを作っていたことがあって。これがかなり大変なんですが、作っていて楽しかったんですよ。でも、社会人になってからはずっと仕事に没頭していて、長いこと立体物を作る機会がなくて。
最近また作りたいなと思い、立体物で良い題材はないかと探していたところ、羊毛フェルトを見つけたんですね。正直、運命の出会いを感じました。

——なるほど。それでは、立体への造詣は羊毛フェルトを始める前からお持ちだったわけですね。

暴:と言っても(フィギュアと羊毛は)全然別物だから。苦戦したところもたくさんありますよ。

羊毛POPを側面から撮った図。こんなに立体感のあるPOPは初めてだ。

——差し支えなければ、難しかった部分を教えて頂けますか?

暴:一番は文字の部分かな。袋文字で外の黒い枠の上に黄色い羊毛を貼ろうとしたら、糊がすぐ剥がれてしまって。仕方なく針で刺して縫い合わせる形に切り替えたんですが、文字表面部分はかなり羊毛を薄くしているので、非常に難しかったです。

——キャラクター(店長)より文字の方が難しかったと。

暴:キャラクターを入れるのは最初から決めていたので。第2回でeim氏が漫画ななほしドラッグ日報のキャラを採用していたのを見て、じゃあ自分も漫画のキャラを使って何かを作ろう、と。むしろキャラクターありきで今回の作品を考案したと言っても過言ではないです。

——なるほど。では力を入れたポイントはキャラクターですか。

暴:いや、文字の立体感かな。「店長」の部分と「オススメ」の部分では厚みが違うんですよ。だからただ同じ羊毛フェルトを重ねても駄目で。部分ごとに針の刺す回数を変えて厚さを調整しました。

羊毛POPの作業過程。手書きPOPで型を取り、フェルトで再現していく。

 

暴:キャラクター自体は前に作ったことがあるので、そこで時間を掛けてコツを掴みました。よかったら見ますか?こっちもてんとうむしキャラクターですよ。

——是非、お願いします。

 

羊毛フェルト作品:やる彦&ベンジャミン。お店で売っているぬいぐるみのようなクオリティだ。

まさかの「やる彦」と「ベンジャミン」。平面の絵で見慣れているだけに、立体でのインパクトが凄まじい。
なんとこの作品、文字通り『腕で肩を組んで』留めてあるので、それぞれに分離することが可能だ。匠の技が光る。

——こちらもまた凄いクオリティですね!ちゃんと誰が見ても分かるほどソックリに作ってあるのが驚きです。

暴:絵だと平面ですから、どの角度から見てもソックリにするのは難しかったですね。どこがどう膨らんでいるのかを立体化した際に矛盾が出ないように、試行錯誤しながら作りました。

羊毛フェルト作品の作業過程。中に針金を仕込んで強度を確保しています。

 

——いやはや。今回はとても良い作品を見せて頂きました。ありがとうございます。
最後に、このPOPアートを見て自分も作ってみたい、と思った人に対してなにかありますか?

暴:羊毛フェルトはね、一言で言うと人生なんですよ。
1刺し1刺しするたびに羊毛が硬く強く、固まっていく。時間を掛けて、根気よく続けていくと、形が出来上がっていく。
無心になって制作していくと、羊毛フェルトで人生観が身に付きます。是非、やってみてください。

暴:あとは、羊毛フェルトを始めたいけど分からないという方に向けてワークショップを開催します。さすがに時間が掛かるので2泊3日くらいの長期コースでいきましょう。下のボタンで需要を確認しますので、参加意志のある方は押して下さい。

——え?いやいや、そんな勝手な

暴:そして、この店長オススメ羊毛POPを売り場に貼ってくれる店舗も募集中です。もし掲載中に盗まれても、返却時までに同じものを作ってくれればいいですよ。

——なに営業してるんですか!って、ボタン設置OK!?いや編集長、待っ

 

 

暴:それじゃ皆、ボタンクリックよろしくゥ!やる気のある方、大歓迎ですよ!

――最後の最後に記事を乗っ取られた!これがペンネームの由来か…!

 

 

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第4回は『紫キャベツ太郎』氏による、『食べるPOP』をご紹介いたします。
POPと言えば手書きPOPやボード、ダミー…そんな固定概念を覆し、もっとPOPという言葉を広く、文化的な意味にできないだろうか——。今回の記事に共感いただけましたら『★いいね!』ボタンを押してください。

 

前回の『帽子POP』でいよいよPOPの概念が誰にも分からなくなってきたこの頃。
なんと今回はパティシエの方にPOPを作ってもらうことにしました。
どんなPOPがこの世に誕生するのか、とても楽しみです!(ヤケクソ)

 

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——今回作って頂きたいものなんですが、事前に話は伺ってますか?

紫キャベツ太郎(以下キ):ええ、ケーキですよね。任せて下さい。プロですからね。

——いえ、POPです。POPと食べ物を融合させた新しい可能性を見せて頂きたいな、と。

キ:え?

——え?

 

キ:…あぁ、失礼。POP。POPね。そう、ケーキにPOPを付けるんです。
僕はパティシエですからね。えぇ。任せて下さいよ、ハハハ。

——(大丈夫かな…)なるほど、ケーキを題材にしたわけですね。
期待しています、よろしくお願いします!

 

キ:ではまず、土台となるスポンジを作っていきます。
もちろん素材は厳選した高級なものを使っています。パティシエですからね。
さて、ホイッパーで形にしていきます。勿論ハンドミキサーなんて使いません。プロですからね。

—— 語尾にアピール挟むせいで嘘くさいですよ。大丈夫ですか?

キ:大丈夫です。プロですからね。

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キ:ダマができないよう気をつけて回し続け、滑らかになったら型に入れて焼きます。
最近流行りの炊飯器とかじゃなく、ちゃんとオーブンで焼きますよ。パティシエですからね。

——そうですね。ぱてぃしえですもんね。

キ:なんか馬鹿にしてません?

——いいえ?滅相も無い。

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キ:焼いている間にホイップを作っていきます。
2連続なんで手が疲れてきました。あの〜、ミキサー使っていい?

——プロ精神はいったい何処に。

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キ:生地がバーンしたらジューシーにアドバンスするため表面シロップをコートして、ベリーサンドします。

——エセ英語で語っても全然プロ感でてませんよ。どちらかというと大柴感が出てます。
ええと、焼き終わったら汁気が出るように生地にシロップを塗って、苺乗せて、もう1つの生地で挟む、ですよね。なんで私が解説しなきゃいけないんですか。

キ:さすが弟子、ちゃんと分かってるじゃないか。

——私は弟子入りに来たんじゃなくて取材に来たんですけど。

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キ:では、表面にホイップを塗っていきます。これでいよいよケーキっぽくなってきましたよ。
どうですかこのキレイなフォルム。ふ、ふつくしい…。

——たしかに、合間合間にボケを挟みながらこのレベルのものが仕上がるのは、プロのパティシエっぽいですね。
正直アピールが酷すぎて嘘だと思ってました。スミマセン。

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キ:このふつくしい土台に苺ちゃんをたっぷ〜り乗せて、フリフリのホイップで着飾っちゃいまちゅ。ふふ、可愛いでちゅねえ…。

——おお、これは凄く美味しそうですね!でも素直に褒めたくないのはなんでだろう…。

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キ:えーと…で、なんだっけ? そうそう、POPでしたね。
はい、クッキーで作ったプライスカードです。これを刺して、完成ー。パチパチパチ

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——おぉー。って、あれ!? ほとんどケーキ作りの話で、POPの話は1割もありませんよ! このプライスカードの作り方は? 先生!?

キ:それでは、今回はここまでです。このたびはク○クパッドに出演をオファー頂き、ありがとうございました!

——先生!? これクック○ッドじゃないです! てんとうむしwebです! 先生ー!

 

——これではただのケーキ講座になってしまう。焦った私は、下げたくない頭を下げてPOPクッキーのレシピを入手した。
前途有望なPOPクリエイターの皆様には、これを読んで是非とも食べるPOPを作って頂きたい。
いや、趣旨はよかったんですよ。メッセージカードが値札にもなってるって新しいじゃないですか。POPが一緒に購入できて、しかも食べられる。キてますよこれ。そういう斬新な発想がPOPアートの礎になるので、そっちの部分を詳しく語って頂きたかったんですよね。なのにこのパティシエときたら最初からケーキばかりを(長くなりそうなのでカットされました)


<POPクッキー作り方>
無塩バター 60g
粉糖 60g
卵白 60g
薄力粉 60g

<型作り方>

クッキーの形とお好みの訴求をプリントし、クリアファイルに貼り付けてカッターで切り取る。

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ボールに、室温に戻したバターを入れ、ホイッパーで滑らかなクリーム状にしたら、粉糖を加え、よくかき混ぜる。

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卵白を加え、よくかき混ぜてなじませる。

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ふるった薄力粉を加え、ホイッパーで粉っぽさがなくなるまで混ぜあわせる。

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オーブンシートを敷いた天板の上に、>1クッキーの型紙をのせて、そこに生地を少量のせ、均一になるようにパレットナイフをつかって平らに延ばし、型紙をはずす。

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200°のオーブンで5〜7分薄いきつね色になるまで焼く。

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クッキーに訴求の型をのせて、ココアパウダーをふりかけて完成!

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てんとうむしweb編集部が『POP』の概念を覆し、POPカルチャーを世に啓蒙するコチラのコンテンツ。

第3回は『ちんあなご(助手1号)』氏による、『帽子POP』をご紹介いたします。
POPと言えば手書きPOPやボード、ダミー…そんな固定概念を覆し、もっとPOPという言葉を広く、文化的な意味にできないだろうか——。今回の記事に共感いただけましたら『★いいね!』ボタンを押してください。

 

自宅POP』『POPお座り娘』に続いての『帽子POP』。
早くも混迷を極めつつあるこのコーナーの先行きに不安を抱きながら、長年数々の什器を手がけてきた巨匠、ちんあなご(助手1号)氏に取材を行いました。

 

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――今回はPOPアートの製作過程を見せていただけるということですが、『帽子POP』とはどういうものでしょうか。

ちんあなご(以下ち):文字通り、頭にかぶるPOPのことです。販促物ではないので正確にはPOPと呼ばないのかもしれませんが、見た目は完全に面白いです。

 

――…えー、では早速製作にとりかかっていただけますでしょうか。

ち:どんなPOPや什器でも同じですが、まずイメージラフを書きます。その後に展開図を書きます。
今回はてんとうむしを帽子にしようかな…ぶえっ!キモっ…!!!

 

――!?どうされました?

ち:画像検索したら無数のてんとうむしが…数が多いと気持ち悪い…。画像載せますか?
あ、入力ミスったらAKBっぽい写真ばっかりになった。てんとうむChu…?
てんとうむチュは2013年7月にAKB他各グループの研究生メンバーから選抜され結成した派生ユニットで…

 

――そんな画像は要りませんしウィキらないでください。遊んでる場合じゃないですよ。

ち:てんとうむしを再現する為に画像検索したんですよ。遊んでるワケではありません。
AKB詳しくないからメンバーで知ってる人一人もいないわ。
あれ?この小嶋 真子ってこの前こじはるとジャンケンして負けた人じゃないの…?
ホラ!やっぱそうだ!

 

――詳しいじゃないですか…いや、引き続き調べないでください。

ち:(さらさら~)こんな感じですかね。

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ち:でも、これじゃ面白くないから羽が開いている状態にしようかな。
てんとうむしWebを活用して、店頭から羽ばたいていく店頭販促の虫を表現しました…みたいな。
羽ばたいた後は近隣の競合店に着地。在職時の情報をもとに、前の店舗を徹底的に叩きます。

――勝手に転職させないでください。前の店舗にどれだけ恨みがあるんですか。
あと全然上手いこと言ってませんよ。

 

ち:今回は帽子なので厚紙を使います。
ラフを元に切ったり貼ったりしながら、おおまかな形を作っていき、それを元に展開図を書きます。
てんとうむしWebに掲載する為にちゃんと設計しますが、自分で使うだけであれば手作業のままで作れます。
仕事柄いろんな厚紙がたくさんあるのですが、店頭で作る場合は、要らないチラシとか、気に入らないタレントを使っている什器をこの際ひっぺがすとか、原型を作るだけであればなんでもいいと思います。

――さらりとヘンなこと言わないでください。怒られますよ。
まあ廃棄する什器などの厚紙部分なら良いかもしれませんね。でもこっそりがいいと思います。

 

ち:ひっぱったら羽が開いたり閉じたりするようにしたかったのですが、めんどうくさいのでやめました。
いや、そもそも店頭で時間の無い中で作らなきゃいけないので、過剰なものは避けて読者の方が作りやすいように、シンプルにした方がいいですよね。
ですから羽は開いたままにしました…ということにしましょう。

――……おぉ、全然期待してませんでしたが、それっぽくなってきましたね!

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ち:出来上がったものを元に、展開図を書きます。
展開図を元に試作をして調整し、デザインを入れます。
パソコンでの作業になりますが、そこまで手間をかけなくても、今回の場合なら色画用紙を使うとか、色つけについては、みなさんがいつも店頭POPを作る時と同じやり方で問題ありません。
まずパーツを切りわけて、のりしろに両面テープを貼って、組立てていきます。
慣れてないと1時間くらいかかるかもしれません。

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ち:…そして完成したのがコチラ!!

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――これは…!てんとうむしですね!!全く期待してなかったのでなおさら良く見えますね!!!

ち:いいですね。本当はもっとリアルな感じにしたかったのですが、店頭に来たお子さんが泣いてしまうとやっかいなので、カワイイ感じにしました。
目は白目のままでも良いです。(色々な目の書き方はコチラ)ダルマのようにお好きな目を書き込んでもいいです。
目当てのお客さんが居たら、ハートマークにして近づいてください。カスタマイズ!!

 

――それはストーカーっぽいのでやめてください。
しかし…コレっててんとうむしの形をしたタダの帽子ですよね…POPとどういう関係が…。

ち:ギョギョ!ギョの別パーツを使うギョとによって、てんとうむし帽子がてんとうむし帽子POPに大変身するのでギョざいます!!ダミーパッケージを上に貼り付けて、その商品についてスインギョPOPを自作すれば、あら不思議、イチオシ商品を身に着けて歩くワタシになれるという画期的な帽子にギョざいます!!
てんとうむしが好きな、むしクン的なキャラ付けをすれば、すぐにツイッターにアップされて人気者になりますPOP!

 

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商品陳列スペースと、POP掲載スペースが確保されているため、今オススメの商品を販促することも可能だ。

 

――…あ…私、重要な問題を発見してしまったのですが…
これ…正面から見てもてんとうむしだってわかりません…。

ち:ええ。知ってます。想定内です。いいんです。いーんです(カビラ風に)!!
そもそもお店のマスコットでもない、てんとうむしの帽子をかぶってるとかイミわかんないし。
でもね、コレをかぶってることでお客さんとのコミュニケーションが生まれるといいですよね。
だってホラ、今みんなスマホ見てるじゃないですか。他の人のことなんて気にしないから、てんとうむしをアタマに乗せてようが、ちょんまげ付けてようが関係ないっていうか。あ、さすがにちょんまげつけて接客してたら、写真を隠し撮りされてツイッターにどんどん上げられて、”江戸時代にタイムスリップ?「ちょんまげドラッグ○○店」”というまとめサイトができて、「全員ちょんまげだとは思わなかった!」「レジで語尾にござるってつけるwww」「Why?ジャパニーズピーポー!」「センテンススプリング!」などのレスが続々とついて来客増、お店の売り上げにつながると思いませんか?競合他店といかに差別化をするかが重要ですし。
それより今のさかなクンのくだり、無視しましたよね。虫だけに。ギョギョ!

 

――ちょんまげではなく、てんとうむしなんですが…。

ち:立っている時は、後頭部のダミーパッケージとスイングPOPが見えればいいんですよ。
自分が使った商品と口コミの手書きPOPを身に着けて歩けば、「ああ、この人が薦めるんだったら他の店で買おうかな…ヘンな人っぽいし」とか購買意欲を刺激することができますし、そっちの方が重要というか。

 

――イメージ悪くなってるじゃないですか。

ち:「あ、この店員さん、てんとうむしの帽子をかぶってるんだ!」と気づかれるのは、品出しとか掃除でしゃがんでいる時です。
だってホラ、今みんなスマホ見てるじゃないですか。帽子かぶって歩いてたって誰も見てませんよ。
子供と話す時は同じ目線で…と言いますが、しゃがんでいる方がより親近感が湧いて店員さんを身近に感じられます。
「あら~何それ、てんとうむし?ステキねぇ~。で、コレもっと安くならないの?試供品もっとちょうだいよ。」などと子供からお年寄りまで声をかけられやすくなり、「てんとうむしの店員さん」として、お客さんの人生相談に乗っている姿が目に浮かびますね。

 

――…それ、生協の白石さんですかね…?

ち:白石さんと言えば、薬剤師の白石さんも出てくる、森子・F・森夫先生の大人気マンガ「ななほし☆ドラッグ」が読めるのは、てんとうむしWebだけ!
うまいこと言った!
本日は長々とお付き合いいただきありがとうございました!

 

――え!?それ全然落ちてないですよ!?

 

9割がた関係のない話をして去っていった、ちんあなご(助手1号)氏。
言っていることは無茶苦茶だが、他店との差別化を図り、消費者に近いお店にする為の手段のひとつとして、試しに帽子を作ってみるのもいいのかもかもしれない。

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※画像クリックでA3印刷データ(PDF形式1.9MB)をダウンロードできます。

 

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第2回は絵師『eim』氏による、『POPお座り娘』をご紹介いたします。
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てんとうむしweb編集部では、POPアート2016を成功させるべく、様々な分野の方に出演を依頼しました。
繊細なイラストを描き上げるイラストレーターがPOPを書くと一体どうなるのか。期待と不安を胸に、我々はeim氏の製作現場にお邪魔しました。

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『この子かわいいですね』
――てんとうむしwebの大人気連載漫画「ななほし★ドラッグ」をお見せしたところ、バイトちゃんをいたく気に入られたeim氏。今回描くキャラクターが早くも決定した。
baito——こちらが森子・F・森夫氏の描くバイトちゃん。無口で化粧好きというキャラクターだ。

 

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――POPの資料が欲しいということで、てんとうむしwebが一部監修を行った『手描きPOPの見本帳』を読んで頂いた。制作環境をバックに記念撮影。ペンタブレットが重厚な輝きを帯びている。

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——早速、特徴を把握するためデザインスケッチを走らせていくeim氏。しかし、ななほしドラッグ原作者の森子・F・森夫氏から「年齢をあと3歳若く、それと髪型がゆるふわすぎるかな」と指摘が。キャラクターデザインは精密な技巧が必要とされるようだ。

 

——原作者からのポイントを正確に取り入れ筆を進めていく。迷い線の少なさから熟練度が伺える。

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――ラフなので分かりづらいが、デザインスケッチの段階よりも髪のロールがかっちりと描画されている。

 

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――休む間も無くペン入れへ。髪の細かさがとてつもないディティールだ。「POPのサイズだとほぼ潰れると思うんですが、顔はきちんと描かないと塗る気が起きなくなるので(笑)」とのこと。絵を描く際のこだわりが垣間見える。

 

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「いつもはカッチリしたCG塗り主体なんですが、今回は『POPに添えるキャラクター』ということで、少し水彩…コピックで塗ったような仕上がりになるよう意識しています」とeim氏。たしかにポスカなど塗りムラが出るアナログ画材と調和が取れそうなタッチだ。

 

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――そして、あれよあれよという間にキャラクターを描き上げPOP部分に。「いつまでも描けちゃうんですけど、サイズ的にこのくらいザックリで終わらせないと逆に色が潰れて見栄えが悪くなるんですよ」とのこと。ちなみにsai→Photoshop→Illustratorと、製作段階によって使うツールもどんどん切り替わっていく。

 

 

――スタートから5時間半。色調整やPOPとしての体裁を整え、ついにPOPアートが完成した。

pop

――POPにちょこんと座る可愛らしいバイトちゃん。ちゃんとポスカも握っている(商標を考慮して綴りはPOSCARとなっている)。もちろんキャラクターだけの状態も存在するので、既存の色々なPOPに座らせることも可能だ。

 

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——3月のワークショップで運営スタッフが作成した吹き出しPOPに座らせてみた。誘目性が一気に高まり、安定感も抜群だ。かわいい。

 

――今回はあなたの店舗の店長を紹介するPOPになっており、eim氏は「是非ご自身の店長をオススメしてあげてください」と型をお土産にして頂いた。

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↑※画像クリックでA4印刷データを取得できます。

 

――ここまで読んだあなたも、気になる店長をPOPにして、誰かに紹介してみてはいかがだろうか。

 


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てんとうむしweb編集部が『POP』の概念を覆し、POPカルチャーを世に啓蒙するコチラのコンテンツ。

第1回は『ぽいふるん』氏による、『自宅で手書きPOP』をご紹介いたします。
POPと言えば手書きPOPやボード、ダミー…そんな固定概念を覆し、もっとPOPという言葉を広く、文化的な意味にできないだろうか——。今回の記事に共感いただけましたら『★いいね!』ボタンを押してください。

 

それでは早速、自宅POPとはなんなのか、作者のぽいふるん氏に突撃取材を行いました。

 

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——そもそも、自宅POPとはなんですか?

ぽいふるん(以下ぽ):文字通り、自宅に貼るPOPのことです。販促物ではないので正確にはPOPと呼ばないのかもしれませんが、見た目は完全に手書きPOPです。

 

——なぜわざわざ自宅用のPOPを?

ぽ:自宅で過ごしている時に、やることを忘れないように付箋や張り紙を使うタイミングってありますよね。電気消し忘れ注意とか、火曜日ゴミの日とか。普段デザイン業務でPOPを書いているので、ふと「私生活でのそういうメモもPOPにしてしまったら面白いんじゃないか」と思って実行してみました。

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——苦労した点があれば教えてください。

ぽ:仕事ではMacでPOPを作っているので失敗してもすぐ修正できますが、手書きPOPだとやり直しできないのがやっぱり難しいですね。でも、その分味があって伝わりやすいので、書いていて楽しかったです。あとは、自分に向けて自分で書くので、書くことが偏るっていう…。

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——実際に自宅にPOPを貼って、どうでしたか?

ぽ:このセールスお断りPOPは実際にチャイム鳴らされる回数が減りました。結構気に入ってます。まだ自宅POPを始めたばかりで、家の中で自分に対しての注意書きが中心ですが、これは数少ない自分以外に向けたPOPですね。

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——自宅POPをやるために一人暮らしを始めたという噂を聞きました。

ぽ:そんなわけないですけど(笑)せっかく一人暮らしを始めたので、そのタイミングでやってみようと思ったのは事実ですね。

 

——最後に何か一言お願いします。

ぽ:店頭の手書きPOPを見ると店員さんのやる気が伝わってくるし、つい手を伸ばしてしまいます。仕事では手書きPOPを書く機会はあまりないですが、また作ってみたいです。今回は家にあったものしか使用していないので、もっと装飾やかわいいシールなど使って作りたいです。

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