2016.06.17.金

POPアート『羊毛POP』 − 作:暴れん坊甘えん坊


てんとうむしweb編集部が『POP』の概念を覆し、POPカルチャーを世に啓蒙するコチラのコンテンツ。

第5回は『暴れん坊甘えん坊』氏による、『羊毛POP』をご紹介いたします。
POPと言えば手書きPOPやボード、ダミー…そんな固定概念を覆し、もっとPOPという言葉を広く、文化的な意味にできないだろうか——。今回の記事に共感いただけましたら『★いいね!』ボタンを押してください。

第3回「帽子POP」、第4回「食べるPOP」で、方向性を見失いつつあったPOPアート。
企画に一抹の不安を抱き始めていたが、今回まさかの超・真剣な、ガチPOPアートを目にすることとなる——。

poparthead

雨が続く梅雨の昼下がり、一本の電話がてんとうむし編集部に入った。
「POPアートにふさわしい作品が完成したので見てほしい」
電話の相手は羊毛フェルト職人と名乗る男性。いったいどんなPOPアートを見せてくれるのか、期待と不安を胸に、指定された住所へと向かった。

――こんにちは。

暴れん坊甘えん坊(以下暴):こんにちは。暴れん坊甘えん坊です。

——な、なかなか素敵なお名前ですね。
…ええと、羊毛フェルトでPOPアートを作られたとのことですが、そもそもなぜ羊毛でPOPを?

暴:そうですね。本来、手書きPOPというものは一点物です。量産されることもなく、書いた人がいるその店舗にしか設置されない、という意味でね。
量産できない物なのであれば、いっそのこと突き抜けて、思いっきり手の込んだ一点物の極みを目指してやろう、そう思ったんです。

——なるほど、一点物の極み。

暴:手書きPOPを書けるようになると、書けない他のスタッフから「私にも書いて」と要望を受けることがある。そこで、誰が見ても作り込みに膨大な時間が掛かっているな、と感じられるPOPなら、簡単にお願いをされることもない。こういう狙いもあります。

——深いですね。では、早速ですがPOP作品を見せて頂きたいのですが。

暴:どうぞ。

羊毛POP作品『店長オススメ!』立体感のある羊毛フェルト製POPだ。

まさしく手書きPOP。雲形にキャラクター入り、そして「店長オススメ」の文字。絵に描いたような手書きPOPだ。
ただし、異質な点が1つだけある。
そう、このPOPはなんと、羊毛でできているのだ…。

——こ、これは…物凄い力作ですね。かなり時間が掛かっているようにお見受けしますが、どれくらい制作に時間を?

暴:通算で12時間くらいかな?そのうちキャラに3〜4時間程度です。

——これを12時間で…?失礼ですが、羊毛フェルト制作はいつ頃から始められたのですか?

暴:半年前からですね。これで4作品目です。

——4作品目!そんな短期間で…。単純にPOPとして見ても違和感が全く無いですし、なにより立体感が凄いですよ。

暴:学生の頃、フィギュアを作っていたことがあって。これがかなり大変なんですが、作っていて楽しかったんですよ。でも、社会人になってからはずっと仕事に没頭していて、長いこと立体物を作る機会がなくて。
最近また作りたいなと思い、立体物で良い題材はないかと探していたところ、羊毛フェルトを見つけたんですね。正直、運命の出会いを感じました。

——なるほど。それでは、立体への造詣は羊毛フェルトを始める前からお持ちだったわけですね。

暴:と言っても(フィギュアと羊毛は)全然別物だから。苦戦したところもたくさんありますよ。

羊毛POPを側面から撮った図。こんなに立体感のあるPOPは初めてだ。

——差し支えなければ、難しかった部分を教えて頂けますか?

暴:一番は文字の部分かな。袋文字で外の黒い枠の上に黄色い羊毛を貼ろうとしたら、糊がすぐ剥がれてしまって。仕方なく針で刺して縫い合わせる形に切り替えたんですが、文字表面部分はかなり羊毛を薄くしているので、非常に難しかったです。

——キャラクター(店長)より文字の方が難しかったと。

暴:キャラクターを入れるのは最初から決めていたので。第2回でeim氏が漫画ななほしドラッグ日報のキャラを採用していたのを見て、じゃあ自分も漫画のキャラを使って何かを作ろう、と。むしろキャラクターありきで今回の作品を考案したと言っても過言ではないです。

——なるほど。では力を入れたポイントはキャラクターですか。

暴:いや、文字の立体感かな。「店長」の部分と「オススメ」の部分では厚みが違うんですよ。だからただ同じ羊毛フェルトを重ねても駄目で。部分ごとに針の刺す回数を変えて厚さを調整しました。

羊毛POPの作業過程。手書きPOPで型を取り、フェルトで再現していく。

 

暴:キャラクター自体は前に作ったことがあるので、そこで時間を掛けてコツを掴みました。よかったら見ますか?こっちもてんとうむしキャラクターですよ。

——是非、お願いします。

 

羊毛フェルト作品:やる彦&ベンジャミン。お店で売っているぬいぐるみのようなクオリティだ。

まさかの「やる彦」と「ベンジャミン」。平面の絵で見慣れているだけに、立体でのインパクトが凄まじい。
なんとこの作品、文字通り『腕で肩を組んで』留めてあるので、それぞれに分離することが可能だ。匠の技が光る。

——こちらもまた凄いクオリティですね!ちゃんと誰が見ても分かるほどソックリに作ってあるのが驚きです。

暴:絵だと平面ですから、どの角度から見てもソックリにするのは難しかったですね。どこがどう膨らんでいるのかを立体化した際に矛盾が出ないように、試行錯誤しながら作りました。

羊毛フェルト作品の作業過程。中に針金を仕込んで強度を確保しています。

 

——いやはや。今回はとても良い作品を見せて頂きました。ありがとうございます。
最後に、このPOPアートを見て自分も作ってみたい、と思った人に対してなにかありますか?

暴:羊毛フェルトはね、一言で言うと人生なんですよ。
1刺し1刺しするたびに羊毛が硬く強く、固まっていく。時間を掛けて、根気よく続けていくと、形が出来上がっていく。
無心になって制作していくと、羊毛フェルトで人生観が身に付きます。是非、やってみてください。

暴:あとは、羊毛フェルトを始めたいけど分からないという方に向けてワークショップを開催します。さすがに時間が掛かるので2泊3日くらいの長期コースでいきましょう。下のボタンで需要を確認しますので、参加意志のある方は押して下さい。

——え?いやいや、そんな勝手な

暴:そして、この店長オススメ羊毛POPを売り場に貼ってくれる店舗も募集中です。もし掲載中に盗まれても、返却時までに同じものを作ってくれればいいですよ。

——なに営業してるんですか!って、ボタン設置OK!?いや編集長、待っ

 

 

暴:それじゃ皆、ボタンクリックよろしくゥ!やる気のある方、大歓迎ですよ!

――最後の最後に記事を乗っ取られた!これがペンネームの由来か…!

 

 

   

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