ニュース情報、売り場動向
2018.04.20.金

業界ニュースまとめ読み〜4月号〜

みなさんこんにちは。今月も業界にまつわるビッグニュースがありましたね。
このコーナーでは業界関連の旬なニュースをいくつかピックアップし、私ミスターDの私的な見解をコメントしていきます。

【コンビニ】
セブン店舗 3割省力化 スライド式棚など全店に導入
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO24349660W7A201C1TJ2000/
コンビニ店舗省力化競うファミマ、既存店に600億円投資
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO29214000Q8A410C1TJ1000/
セブン、検品にICタグ 店内作業時間を6割短縮
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO28581830W8A320C1TJ1000/
ファミマ、店で検品不要に 1日2時間の省力化に 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29096680W8A400C1EA6000/

セブンとファミマが全く同じ方向性で施策を行なっている。コンビニの主な業務である「陳列」「検品」に大幅なテコ入れを行い、省力化を図っている。
しかし、内容を見るにつけ、「え?今まで全くやっていなかったのか?」と思えてしまう初歩的な効率化で驚く。
爆発的なスピードで伸びて来たコンビニ業界だが、成長が鈍化してはじめていろいろとテコ入れを行えるようになったのかもしれない。そういう意味では、まだまだ効率化による生産性アップの余地はありそうである。

【ドラッグストア】
コンビニ客減少続く 24カ月連続   ドラッグストアに苦戦
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28382290Q8A320C1MM8000/
ウエルシア、11% 増収
https://www.ryutsuu.biz/accounts/k041226.html
スギ薬局、6%増収
https://www.ryutsuu.biz/accounts/k041125.html

ドラッグストアの勢いにコンビニが完全に押されている。生鮮食品をテコに、化粧品や医薬品を併売していくモデルはいまだに健在。ただし、小売消費全体が伸びているわけではなく、あくまでコンビニのパイをドラッグストアがジワジワと奪っていっている感が否めない。
ドラッグストアは対面販売が必須な商品が多く、店舗もコンビニより広いため、なかなか人員削減は難しい。また、急速にM&Aをしていっているため、同じグループでもオペレーションや仕入れの効率化がうまく図れていないチェーンも多く見られる。いずれはコンビニと同じ壁にぶつかることが必至だが、どこまで伸びていくのだろうか。
2020年はもう目前だが、あと2年後に勢力図がどうなっているか、正直なところまったく読めない。

化粧品業界団体、自然由来化粧品のガイドライン策定 
http://www.syogyo.jp/news/2018/02/post_020470

ドラッグストアの売り場に溢れる「オーガニック」「ボタニカル」「天然由来」などのキーワード。しかし明確な基準もなく、完全に「言ったもん勝ち」のカオス状態となってしまっている。こうした事態に一定の基準を設けるのは混乱を避けるためにはいいことだが、決して「オーガニック」=「高品質」というわけではない。
結局のところ、自分に合った製品を消費者が自分で勉強して選別していくしかない。

ユニ・チャーム、大人用おむつの問い合わせにAI対応
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018033000121&g=eco

専門商品の接客がしっかりしているというのはドラッグストアを利用する利点でもあるが、逆に接客されたくない商品もある。育毛剤や生理用品、避妊具などのいわゆる「デリケート商品」だ。
大人用おむつもデリケート商品と言える。このカテゴリにおいては「できればネットで買いたいけど種類が多すぎてわからない」というインサイトが確実に存在する。
ドラッグストアは店頭での接客に特にコストをかけているので、メーカーよりも多くの接客情報を持っているはずだ。むしろドラッグストアが主体となってAIを開発していくべきだと思うが、そこまで手が回らないというのが痛し痒しなところだろう。

ニュース情報、売り場動向
2016.10.25.火

業界ニュースまとめ読み〜10月号〜

みなさんこんにちは。
このコーナーでは業界関連の旬なニュースをいくつかピックアップし、私ミスターDの私的な見解をコメントしていきます。

 

【ドラッグストア・その他流通】

トモズ 台湾50店に 18年末までに2.5倍

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO07962720T01C16A0TI5000/
日本のドラッグストアのアジア進出がなかなか進まない中、トモズが台湾拡大に加速度を増す。
台湾ではワトソンズとコスメドがドラッグストアのシェアを占めているが、どこまで日系チェーンが食い込んでいけるか。アジアの中でも台湾は特に日本文化との親和性が高いと思われるので、「日本流ドラッグストア経営」の活躍に期待したい。

 

コスモス薬品が3年連続売上首位

http://www.sankei.com/region/news/161019/rgn1610190025-n1.html
コスモス薬品が絶好調だ。九州・沖縄地区全体の小売店の中で、3年連続売上首位に輝いた。
首都圏のインバウンド消費が「モノ」から「コト」に移行しつつある中で、地理的に「アジアに最も近い日本都市」という点もプラスに働いたと思われる。買い物に行くだけなら、わざわざ東京まで行く必要はない。
百貨店ではインバウンド消費が大幅に落ち込んで悲鳴を上げているが、九州のドラッグストアではまだまだ好景気が続きそうだ。

 

ファミマ・RIZAP・伊藤忠が健康関連で提携

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016101400750&g=soc
元々RIZAPと伊藤忠は衣料品などで提携を結んでいたが、伊藤忠はファミマの親会社でもあるため、ファミマとRIZAPの提携もスムーズに進んだ。低糖質食品といえばローソンが先駆けてブランパンなどをリリースしていたが、やはりかなり味気ないもので物足りなさを感じていた。
私はコンビニで買い物する際にかならず裏面の糖質量チェックをしているほど低糖質マニアなので、ファミマの低糖質参入は大いに歓迎する。美味しくてボリュームがあるのに糖質が少ないメニュー、楽しみにしてます。よろしくお願いします。

 

Amazon 大手配送業者との契約解除を検討

http://business.newsln.jp/news/201609300645170000.html
AmazonがUSP・FedExとの配送契約の解除を検討している模様。これはアメリカの話だが、日本でも以前に佐川急便との契約解消があり、今はヤマト運輸に頼っている状況。外部委託として他に選択肢がない現状には、Amazonとしてはさぞ危機感を募らせていることだろう。
自前の物流網を構築するのはハンパないコストと労力がかかるが、この流れは避けて通れない。小売・ECだけでなく、配送業においてもAmazonが牛耳ることになりそうだ。

 

Amazon コンビニ進出計画

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1610/12/news070.html
もう一つAmazonのビッグニュース。生鮮食品を中心に扱う実店舗の出店を計画しているという。
ヨドバシカメラなど、元々リアル店舗を持つ小売店がネット通販に注力するのはよくある流れだが、EC業者が本格的に実店舗に参入する事例は珍しい。しかも王者Amazon。本屋の実店舗展開はすでに行われているが、生鮮食品となると本格的な物流網の構築が必要となり、先程の配送内製化のニュースともリンクしてくる。
日本においてはかなりコンビニ業態が成熟しているため、Amazonといえども参入はなかなかむずかしいと思われるが、大手コンビニチェーンのひとつにAmazonが現れるのもそう遠くない未来かもしれない。

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【メーカー】

ニュース情報、売り場動向
2016.09.20.火

業界ニュースまとめ読み〜9月号〜

みなさんこんにちは。先月はポケモンに取り憑かれたように没頭してしまい、カイリューを育て上げたところで目標を見失って早くも熱が冷めてしまったミスターDです。
このコーナーでは業界関連の旬なニュースをいくつかピックアップし、私ミスターDの私的な見解をコメントしていきます。

 

【コンビニ】

ファミマとユニーが経営統合 セブン-イレブンに迫る

http://www.asahi.com/articles/ASJ804TJWJ80OIPE00W.html

かねてから告知はされていたが、いよいよ9月1日にファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスが経営統合し、ユニー・ファミリーマートホールディングスが発足した。これにより、ユニー傘下だったサークルKとサンクスが17年2月をめどに順次ファミリーマートに変更されていく。
店舗数では最大手の王者セブン-イレブンに迫る業界2位の地位に。伊藤忠出身、元ユニクロ副社長の経歴を持つ沢田貴司氏を新社長に迎え、絶対王者・セブン-イレブンに挑む。

 

セブン-イレブン 売上高4年連続増

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO06926520W6A900C1H11A00/
一方、王者セブン-イレブンは今年、鈴木敏文会長の跡継ぎ問題でお家騒動が勃発し経営の混乱が危惧されたが、蓋を開けてみると4年連続の増収を記録。雨降って地固まる効果かどうかは定かではないが、長年の経営努力で築かれた盤石な土台はちょっとやそっとではびくともしないことを改めて示した。
激化するコンビニ戦争、このまま王者の地位を維持できるか。

 

三菱商事、ローソンを子会社化

http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/14/mitsubishi-and-lawson_n_12017804.html
セブン-イレブン、ファミリーマートに一歩遅れを取ってしまっているように見えた3位のローソンに大きなニュースが流れた。
三菱商事がTOBによりローソンを完全子会社化することを発表。6月にすでに三菱商事出身の竹増貞信副社長が社長に就任するなど、関係強化の兆しは見えていたが、完全子会社化により本格的にテコ入れに乗り出すという気合を感じる。

 

三菱商事のローソン子会社化で「ミニストップ」株が急騰

http://www.sankeibiz.jp/business/news/160915/bsd1609151625012-n1.htm
また、この影響?でミニストップ株が急騰している。
正式発表は全くないが、ミニストップの親会社であるイオンの筆頭株主が三菱商事ということもあり、「いよいよ次はローソンとミニストップが統合?」とまことしやかな噂が流れている。
もし実現すれば、ファミリーマートにかなり肉薄しコンビニ3社三つ巴の構図がさらに色濃くなる。

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【ロジスティクス】

ウエルシア 2000店舗体制に向け物流強化

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO05639980T00C16A8TI5000/

CFSコーポレーションとの統合によりドラッグストア業界2位に躍り出たウエルシアが、さらなる拡大に向けて物流体制を強化している。
ただでさえ一気に店舗数が増えた中で24時間店舗の増加や日配品の取扱いの拡大もあり、確実に流通量が膨らんでいる。
2000店舗のビジョンに向けて確固たる物流体制の確立は避けて通れない。今後はさらに、小売・メーカーともに「物流」の重要性が増してくるだろう。