2018.09.04.火

実践POPロジック[26]〜 ABCDEの「E」(2)


 残暑がキツイPOP!!むしろ8月下旬が今年の中で一番暑いのでは?と思ってしまうほど暑い。


そんな中、人生初めて「熱中症」というものにかかってしまったPOP・・・。
この猛暑の中、日陰のない山へ登山に出かけるという暴挙をやってしまったので当たり前なのですが。
そこで思い知ったことがあります。


ドラッグストアにはこの時期「熱中症対策コーナー」が必ずと言っていいほどあります。
「冷却シート」や「経口補水液」は感覚的に効きそうな感じがわかるのですが、「胃腸薬」がそこにあった場合、アナタなら買いますか?


 「え?なんで熱中症に胃腸薬?」理由を知らなければそう思いますよね。
これはワタシも実感して初めてわかったのですが、熱中症になると激しく喉が乾くものの、水を飲んでも吸収されずにトイレに行きたくなるんです。
つまり、腸に異常をきたしていて、飲んだ水分を正常に吸収できてない状態なのですね。
これはなかなか、ロジックを知ったところで自分で体験しないと必要性を感じることができません。
かくいうワタシも、ロジックを知っていたのに自分が熱中症になるまで胃腸薬を熱中症対策として持ち歩こうとは思いませんでした。

 このように、外観で直感的に必要と思えるかどうかが購買動機づけにとても重要になってきます。
以前、卸店のバイヤーさんから聞いた話で印象深いエピソードがありました。
「商品には、売れる外観と売れない外観が決まっている」というお話です。

売り場を見てみるとわかるのですが、もちろん千差万別ではあるものの、
カテゴリごとにだいたい似たような形状、似たようなデザインの商品が並んでいませんか?
「なんで同じようなデザインになるんだろう?オリジナリティがないな」などと思ったことはありませんか?
なぜ同じような外観の商品ばかりになってしまうのか。
実は、そういった商品が全く存在しないわけではなくて、
「出てきても売れなくて消えていく」のだそうです。


 例えば誰が決めたわけではないですが、スキンケア商品において「白は美白」「赤は保湿」という暗黙のカテゴリカラーがあります。
しかし普通に作ると他社と同じようなデザインのパッケージになってしまい、売り場で埋もれてしまいます。
そこで、「目立たせるために思い切って保湿商品を黄色のパッケージにしよう!」というのはよくあるアイデアなのですが、
バイヤーさんいわく「メーカーさんはそうやってオリジナリティを出そうと奇をてらうことがあるけど、
そういう商品はやっぱり売れずに売り場から消えてしまう」とのこと。
商品を作るのはメーカーですが、「商品をどんな外観にするか」という点においては、
「消費者の見えざる手」によって無意識のうちに自然と形作られているのです。
生態系の自然淘汰みたいな不思議な話ですよね。


 しかし、iPhoneなどの超イノベーション商品においては話が全く異なります。
iPhone以前のスマートフォン市場には、iPhone的外観のスマホはありませんでした。
正確に言うと、出ても全く売れずに消えていきました。
「プッシュボタンのない携帯電話は、電話であるとみなされないため、売れない」という暗黙のセオリーが機能していたのです。
逆に言うと、iPhoneぐらい強烈なイノベーション商品か、もしくは外観を問わないマーケティングがない限り、「外観で直感的に理解できない」という商品を売るのは至難の業ということでもあります。
「外観で理解できない商品にはPOPを付けよう!」などと述べておいて身も蓋もないですが、POPで書かないと何かわからないような商品は、かなり厳しい状況にあると言えます。
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