今回は、ABCDEの2個目「Benefit」についてお話します。
「ベネフィット」はカタカナ英語にもなっているので馴染みが深い人も多いと思います。
この場合、誰にとってのベネフィットなのかというと、主語は消費者です。
「その商品は消費者にとって何がベネフィットなのかを端的に述べる」
言葉にすると簡単なのですが、意外とベネフィットが表現できていないPOPが多くあります。
試しに、近くの小売店の売り場を見てみてください。
特にコモディティ化してしまっている消費財売り場において「他社と比べてなにが勝っているのか」
というスペック訴求に終止してしまっているPOPにあふれている売り場が少なくないことに気がつくと思います。
端的に言うと、「モノPOP」と「コトPOP」の違いということになります。
ベネフィットを述べていない、スペック訴求のPOPが「モノPOP」、
消費者のベネフィットを考えたPOPが「コトPOP」です。
スペック訴求はモノの説明なので「モノPOP」、ベネフィットは消費者にとって「どんないいコト」があるのか、
という視点で「コトPOP」と呼びます。
具体的な例で説明しましょう。
左が「モノPOP」、右が「コトPOP」です。
おわかりでしょうか…?
内容は全く同じことを伝えているのですが、左はスペックの話で終始していることに対し、
右は「コスパがいい」という「いいコト」をストレートに伝えています。
モノPOPは、「つまり、それは自分にとってどんなイイコトがあるのか…?」と
ワンクッション考えさせてしまいます。
じっくりと検討できるラグジュアリーな売り場ならまだしも、
商品とPOPが入り乱れている定番売り場において
このタイムラグは命取りになります。
とにかく消費者に迷わせない。そのためにはベネフィットを「コト」に
翻訳してストレートにPOPに落とし込むことが、直接的購買動機づけの促進につながります。
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