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2016.05.31.火

業界ニュースまとめ読み〜5月号〜

はじめまして。
このコンテンツでは毎月、業界関連の旬なニュースをいくつかピックアップし、ミスターDの私的な見解をコメントしていきます。

 

【インバウンド】

・インバウンド特需終焉か…三越伊勢丹の株価が下落
http://www.j-cast.com/2016/05/21267143.html
・4月の百貨店免税品売上、9%減
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20160520-OYT1T50130.html
・関税引き上げで爆外にブレーキ…空港で捨てる人も
http://www.news-postseven.com/archives/20160522_414375.html

ここ数年、ドラッグストア業界を賑わせてきた訪日観光客による“爆買い”の勢いが衰えつつある。
訪日観光客と言っても、実際に消費財を大量に購入しているのは多くが中国人である。
この海外消費の増加を問題視した中国政府は、海外で購入した商品の関税を大幅に引き上げた。
折しもの円高も相まって、観光客の消費に急ブレーキがかかってしまっている。
「爆買いはいつか終わる」「観光客の興味がモノ消費からコト消費へ移りつつある」「インバウンド頼みではいけない」といった懸念はずっと前から指摘されていたが、インバウンドに舵を切ってしまっている店舗はなかなか次の一手に踏み出せていないように見える。
観光立国施策の推進により、訪日観光客は引き続き増加していくと見られる中で、「いかにして今まで以上に外国人に買ってもらうか」という具体的な店舗施策の実行が早急に必要だ。

インバウンド店のドラッグストア

 

【ドラッグストア】

・マツモトキヨシ・サンドラッグ・ココカラファイン・カワチ薬品、大手4社の3月期決算、大幅増益
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO02241460S6A510C1DTD000/
・ウエルシアホールディングス、最高益
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO99667810U6A410C1DTA000/
・クリエイトエス・ディー、最高益
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO97854060Z20C16A2DTA000/
・スギホールディングス、最高益
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO99322850V00C16A4DTA000/

ドラッグストア大手各社から、軒並み増収・増益の決算が発表されてきている。
小売不況が叫ばれる中で、ドラッグストア業界は非常に健闘している。しかし、ここ数年は“爆買い”の恩恵によるところが少なくない。
前述のとおり、ブレーキがかかりつつあるインバウンド消費に対してどうアプローチしていくか。
また、食品の取り扱いがどのチェーンでも増加し、スーパーとの均質化が進み、オーバーストアによる競争は日に日に激しさを増している。
毎年繰り広げられるM&Aにより上位企業の順位がめまぐるしく変動する中で、各チェーンとも「新たなドラッグストアのあり方」を模索している。まだまだ成長が見込めるこの業界、今後も目が離せない。

 

【その他】

・働く女性のための24時間新型店「ビビオン」オープン
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ18H2R_Y6A510C1TI5000/

ウエルシアホールディングスから、女性向けの新型店が東京・日本橋に6月にオープン。
従来のドラッグストアの枠を超え、ネイル・エステなどのサロンサービスも行うという。しかも24時間営業。
新たな業態の模索として、チャレンジングな試み。要注目である。

・ジーユー、ショールーミング促進 店舗で試してネットで割引
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO02397730W6A510C1TI5000/

ファーストリテイリング傘下のジーユーが、大胆な施策に打って出た。
「店舗で実物を見て試し、割安のネットで買う」。
私も、店舗に申し訳ないと思いながらも家電量販店で実物を確認しつつ、Amazonで購入・翌日受取を愛用している。最近増加しているこういった「ショールーミング」という購買行動は、小売店を悩ませている課題のひとつだが、店舗を持つ企業が積極的にショールーミングを促進しネットへ集客する、という施策は前代未聞である。
「一時的に店舗売上が下がる可能性があるが、ネット利用を促進することで、顧客単位のLTVを全体的に底上げする」ということだが、果たしてうまくいくか。こちらも要注目である。

 

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